
2006年3月8日高知新聞朝刊2面の高知新聞政治部長須賀仁嗣政治部長が、署名入り記事を書いています。「こうち政界交差点」というコラムでタイトルは「山原没後をどうみるか」。私は読んでいまして不愉快になりました。長くなりますが、その掲載文を引用してみます。
「きょう3月8日は山原の三回忌。がんを患い、闘病生活1年有半で逝った山原のことを振り返りたくなる政情が、目の前に広がっている。 中略・・・
元共産党県議公文豪の言葉を借りれば、5年におよぶ小泉政治の”毒”は国民生活の奥深くまで達しつつある。常雇用の破壊は急で、医療費の負担増も目前だ。確かにこの先、「生存権までもが侵すな。」ということが沸き起こってもおかしくない。」
「問題は、そこに (闘う共産党)がいるのかということだ。
山原没後、共産党に迫力がなくなった.なんだか弱った感じ。迫力がない。」「県政への向き合い方にしろ、軟弱路線というか、きっちり筋を通しているという印象がない。」そんな不満がが党関係者からも聞えてくる。「 終末期の山原は50年間身を寄せた共産党に病床から批判をむけていた。とくに橋本県政のもとでの党の態度にきびしい批判の矢を向けていた。 」
「是々非々」といいつつ、知事選挙の選挙資金疑惑、ダム工事の談合疑惑をまともに追及しようとしない日本共産党――これらをみれば、病床にあった山原が黙視していないと思うが、党幹部はこの山原の行状を苦々しく思っていた節がある。事実、元県委員長の浦田宣昭らはこのことにあまり口を開きたがらない。」
「坂東真砂子が投げつけた「功名が辻」論争。いろいろ意見はあるが、坂東の主張に「一領具足の子孫として胸のすく思い」をもつのはおそらく山原がその極みではなかったか。
「山原の郷里は本山町にある。藩政期には川向こうをゆく参勤交代の列を、農民たちは土下座したまま見送らざるをえなかったという。その様を詠んだ山原の歌からは「反骨」のDNAが読み取れる。それが闘争心の源泉だったのだろう。 」
「闘うことに疲れた、いや忘れたかのような今の共産党をみていると、最後まで闘い続けた山原のすさまじい生を、いまさらながらに思う。」
私は共産党の関係者でも支持者でもありません。しかしこのコラムを読みまして高知新聞の政治部長が「1個人の偏見に満ちた個人的見解」を紙面で発表して良いものかと思いました。
彼とは高知市政担当時代に面識があり、私が高知青年会議所時代に「都市再開発セミナー」の時に掲載記事を書いていただいたのでよく知っています。彼の性格も理解しています。でもこの記事は「それはないで」とは思いますね。
確かに山原さんは、高知県の共産党が橋本知事に接近することを潔しとはしませんでした。でも1994年の高知市長選挙のときは、ともに同じ陣営でたたかったことがあります。ですので、「是々非々」という立場は貫かれていました。
共産党が橋本知事に接近したのは、対立する政治勢力との関係でしょう。それもべったりではなく、政策協定もなく、いわば「勝手連的」に応援しただけではないのでしょうか。知事の「非核港湾条例の提案」や「労使協議の場」に共産党系の組合を参入させたりの知事の政治姿勢を共産党なりに評価されての勝手連であると思います。
また須賀仁嗣氏は作家坂東真沙子氏などの「軽薄な」論調に便乗して文章を書くべきではない。論理性の弱さを感じます。封建時代と今の時代の共通性などないのですから。全く無意味です。
政治信条は異なりましたが、山原健二郎さんは真摯で立派な政治家であったと思います。それで私は葬儀にも行きました。葬儀の様子は支持者の人たちは深い悲しみに包まれていました。共産党の関係者だけでなく、私のように党派は関係なく多くの県民が葬儀に参加していましたのでお人柄がわかります。
高知県の未来と共産党について 参考
山原健二郎さんが死去(ブログ)
山原健二郎さんは「高知県最後の大衆政治家」でした。かつては党派を超え、支持を集める政治家が高知にもいましたね。自民党の大西正男さん。田村公平さん。社会党の井上泉さん。公明党の平石まさたろうさん。そうした政治家がいました。山原健二郎さんもそうした政治家のお1人でした。
時代は変りましたが、私はやはり党派を超えた支持を集められる山原健二朗さんのような政治家の登場は望まれます。軽薄なテレビ写りだけを気にする政治家が多い中では山原さんのような政治家の登場は望まれています。それはどの政党にもいなくなった存在感のある政治家であったからでしょう。

須賀仁嗣高知新聞政治部長は浅薄な政治理念を反省していただきたい。個人的見解で、記事を書くなどとんでもないことです。ジャーナリストの資格については大いに疑問があると私は思います。
今年から来年にかけては「政治の季節」です。高知県内では4月に町村合併で誕生した香南市と香美市の市長選挙と市議会選挙があります。来年は3月に統一地方選挙。7月には参議院選挙。11月には高知県知事選挙と高知市長選挙があります。彼は県民世論に大きな影響を与える地方新聞の政治部長といういわば「公職」にある身の上なのです。その影響力は高知市長や高知県知事に匹敵するでしょうから。
IT時代と言われてはいますが、未だに高知新聞は高知県では大きな影響力がある地元紙です。それだけにこの政治の季節に「個人の見解」を署名記事で書くようなセンスの政治部長により世論誘導されるほど高知県民は愚かではありません。
それをはっきり警告したいと思います。

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