再読した「都市再生のパラダイム」
ニューヨークのピア17とかセントルイスのユニオンステーション、ボストンのファヌル・ホール・マーケットプレイス。ボルティモアのイナハーバー。その他全米の衰退した都市中心部の再生を手掛けた来たJW・ラウス氏と、ラウス社の業績を私達はすぐに思い出すことができます。
無機的な、バーコード社会で、無言で売買する買い物ではなく、商店主の顔が見える食品店のような商業がアメリカでも支持を集めていました。成功した「フェスティバル・マーケットプレイス」と呼ばれた施設の多くは、都市中心部の港湾や河川などを親水空間として取り入れています。
その場を去りがたい雰囲気。人々はそこに集まり、佇むだけで気持ちが良いのです。ちょうどそれははりまや橋商店街サロンの世界でしょうか。
川があり、そこで魚を見つけるとき、人々の心は和むことでしょう。
そういえば大阪市にある海遊館もラウス社の設計。ボルティモアにも水族館があることを思い出しました。
町田吉彦氏は、浦戸湾水族館構想を提唱されています。
浦戸湾の価値について「けんちゃんのどこでもコミュニティ」より
窓を閉めきり、5分で走り去る自動車道路建設に100億円の価値があるのでしょうか?ありきたりの無機質な都市部が形成されるだけですね。
高知市におけるウォーターフロントは浦戸湾であり、新堀川であり、江ノ口川であり、堀川であり、鏡川であるでしょう。
街並みと河川を調和できる余裕が生まれた時、高知市は「再生」されるのです。ひさしぶりに「都市再生のパラダイム JWラウスの軌跡」(窪田陽一・著 パルコ出版)を読み返してみました。
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