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2006.07.21

自分が変われば世界が変わる

 NPO法人ハート・リンク・コミュニティ(竹内隆志理事長)では毎月20日を「ニートのためのコミュニケーションDay」と位置づけ「ニートと親子のためのほっとカフェ」を継続的に開催しています。

 7月20日も会場の大橋通りの喫茶店「メンフィスト・フェレス」の2階にて開催されました。今回の講師は西風の会代表の堀俊明さんです。ご経歴につきましては、ご本人の記述がございますので、ブログを参考にしてください。

瀬戸キリスト教会牧師 堀俊明, 西風の会代表 (躁鬱病とアルコール依存症で精神障害2級)

1時間を超える掘俊明さんの講演は印象深いものがありました。
 学生時代は常に学校の成績はトップクラス。進学校で周りの皆が、テストの結果に一喜一憂しているときも、授業でノートもとらず、さぼりがちであったとか。

 今にして思えば若いときから躁鬱病を発病していたので、躁状態のときは、普通3年で覚えることを3ヶ月で覚える集中力がありましたと言われました。
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 京都大学農学部へ入学しましたが、当時は全共闘運動の時代であり、授業はなく閉鎖されたり、レポート提出で卒業できる状態でしたとか。学校が混乱していた時期でしたので卒業も出来ました。
 またその「集中力」で上級公務委員試験に合格していましたので、大学側も配慮し卒業させてくれたとも。

 成績や学歴では成果を上げながら、「自分が周りと壁をつくり、生きることに積極的ではなかった。今で言う登校拒否状態だったのでしょう。」と掘さんは言われました。

 卒業後は福井県の水産試験場の研究所に配属され、原子力発電の環境アセスメントを担当されました。そこで、研究者としての良心、公務員としての良心と、現実の仕事とのジレンマがあり眠れない状態になり、躁鬱病「気分障害」を発病遂にはお酒で紛らわすようになりアルコール依存症にもなりました。

 精神病院にも入院され治療も受けましたが、改善されず職場も退職されました。準公務災害扱いで、退職金も割り増し給付されたそうです。

 1983年に断酒を決意し、高知へ来られ、下司病院に入院されました。入院しても飲酒を続けたりしていました。下司先生の治療が良く、パキシルの投与で劇的に症状が改善されたそうです。

 そのときに初めて「生きたい」と心底思ったようです。そう思ったから信仰心が出来、牧師になろうと決意されました。東京神学大学へ行くことを決意し、テストケースとして精神病者の入学が認められたそうです。しかし当時大学側から紹介された病院とは相性が合わず倒れました。
 夏休みに下司病院に入院し回復されました。そして2年間で卒業されました。
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 高知で高知教会の伝道師として活動するも「何をするのかわからないものに牧師として招聘できぬ」と反対されたようです。青年会には精神障害者が集まるようになりました。徐々に理解者は増えていかれました。

 そして奥さんと結婚され、現在は高知市瀬戸でキリスト教会を設立され、奥様と2人で牧師として活動をされています。

 堀さんは「私はいろんな人のお陰で30年ぶりに社会復帰しました。20歳のときから58歳の間が空白。怪我をして体の機能回復にはリハビリが必要なように、今それをしています。脳のリハビリです。
 今ようやく健康な人が、起床してどう感じるか。食事の時はどう感じるのかが少しづつわかってきました。最近人並みのことが出来るようになったことがとても嬉しく思います。

 生きる。ということに衝動を感じました。それは信仰を持っていたから感じたのではなく。生きたいという衝動を感じたから信仰心を持ったのです。

 自分が一生懸命生きようとしたら必ず助ける人が出てきます。わたしも下司さんに助けられました。

 世の中が変わったのではなく、自分が変わったのです。生きようというエネルギーが自分から出れば必ず相手が感じます。

 掘俊明さんのお話しはご自身の体験から、言葉を搾り出すような語り口でした。どんな境遇におかれても「一生懸命に生きよう」と強く思えば回りに伝わり、助けてくれる人が必ず現れます。」
 「自分が変われば世界が変わります」と言う話しに、来場された若者達は真剣に傾聴されていました。

 重たい掘さんの体験談ゆえに、すぐに反応はありませんでしたが、いつまでも心に残る話でありました。

 話は盛り上がり、最終バスの時刻も過ぎましたので自宅まで送りました。奥様とノエル「雌犬)が出迎えていただきました。瀬戸教会は住宅街の中に溶け込まれていました。


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コメント

西村さん
ブログへのコメントありがとうございました。
恐らく竹内さんから私の投稿をお知りになったのだと思います。

昨日の堀さんのお話は私の「生き方」という概念を見事に変えてくれました。

また西村さんのコメントで、背中を押してくれる方の事を信じ前へ進むという事が出来そうな気がします。

投稿: 永田 博 | 2006.07.21 16:48

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