酒文化の変革と社会対策
7月23日(日曜日)は、高知商工会館大ホールで「第34回高知酒害サマースクール」(高知アルコール問題研究所主催)へ初めて参加しました。
「断酒会」で有名な下司病院が主体的に支え、断酒会の有志が実行委員会をこしらえられているようです。300人を超える市民が聴講していました。
午前中は山村陽一氏(元JRバス関東会長)の講演会でした。在職中の3年前に、東名高速でJRバスが蛇行運転した事件がありました。当時も全社挙げての「飲酒運転撲滅運動」の最中の事件でした。それだけに衝撃を受けられました。
運転手の自覚向上と、飲酒検知器を導入し、飲酒運転の撲滅に努めていました。しかしアルコール依存症の人は、いかに検査をごまかすかに注意を払います。自覚して飲酒態度が治れば良いですが、アルコール依存症には厳しい処分が有効かと言えばそうではありません。
アルコール依存症は病気であります。治療法は自覚のある飲酒ではなく、断酒しかありません。でもそれは本人の自覚だけではなく、家族、職場、友人たち、地域社会の協力が必要なのです。
それには「酒文化の変革」が必要です。お酒を飲まなくとも楽しい宴会の工夫。お酒を飲まなくてもコミュニケーションが図れる職場の改善も必要です。
昔と異なり車社会で、高速運転が必要となり運転も最新の注意が必要です。でも酒文化が時代の変化についていかず昔のままですと大変な事故が起こります。
精神論や厳罰主義の「水際作戦」ではなく、ご本人の健康管理、職場の健康管理と言う観点で飲酒対策をします。アルコール依存症対策を進め、依存者は退職を迫るのではなく、断酒できる職場環境、家庭環境、地域社会をつくる運動をしましょうと言うことです。
高知の料理屋おつまみも、お酒が飲めなくては味も半減なようです。そうではなくお酒は飲めない人も美味しくいただける料理が大切です。またお酒を飲める人も、飲めない人も楽しめる酒文化をこしらえなくてはならないでしょう。
講演を聞きまして、アルコール依存症対策は社会問題だと思いました。アルコール飲料は現在日本では大量に販売され、自動販売機でも購入できます。アルコール飲料から上がる税収と、アルコール依存症治療の為の医療費との兼ね合いはどうなるのでしょうか?
(広島で断酒会の全国大会があるそうです。そのPRもされていました。)
「土佐のおきゃく」など酒飲みだけを優遇し、「きばる」(偉そうにする)文化ではなく、健康管理と危機管理にもとづいて酒文化の再構築が必要であると思いました。
主催者の下司孝之さんのコメントです。
香南市赤岡の「どろめ祭り」もただ大酒を短時間で飲むという品性のない祭りではなく、お酒の飲み方、お酒を飲めない人との交流の場に変えるべきでしょう。あの祭りは土佐人として恥ずかしいと思うからです。
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