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2006.08.20

生コン事件のビデオを見学

 昭和46年6月9日「生コン」事件がありました。まだ高校生の頃です。当時今はサテイになっている高知市旭に、高知パルプがありました。

 パルプを製造しますと大量の廃液が出ます。硫化水素を含む廃液を殆ど無処理で地下水路から江ノ口川へ大量に垂れ流していました。「西日本1」の汚い川と呼ばれ、浦戸湾も汚染されていました。

 いくら合法的な市民運動をしてもらちがあかないと覚悟した会社役員であった山崎氏と元教員の坂本氏の2名が、昭和46年6月9日に高知パルプ近くのマンホールをこじ開け、この高知パルプが廃液を流している地下水路に生コンを流し込み、封鎖したことにより、廃液は電車道に溢れ大きな社会事件になりました。

 この事件を契機に、高知パルプは1年後廃業に追い込まれました。それから30年以上の歳月が流れ、浦戸湾の生態系は蘇り、その一つである新堀川はビオトープとして価値が増しています。
Namakon
 鑑賞会には熱心な市民7人が参加しました。制作はNHK高知放送局。今はNHKの重鎮となっている松平アナウンサーが新人の頃の姿も。
 戦災と南海地震後の時代に企業誘致され操業を始めた高知パルプ。出荷が始まると市民に歓迎されていたようです。同時に臭気と廃液は周辺住民を苦しめ、会社側と市民との交渉記録もありました。

 当時は「企業も採算度外視してまで公害投資はできない」というのが常識で、それがまかり通る時代でした。県庁の姿勢も無責任で、鑑賞に訪れた参加者から「この間の新堀川の道路計画の説明会となんか変わらんね」という声も出ていました。

 行政は自分から市民の為に動かないというのが、このビデオを見た感想ですね。それは今も昔も変わらないとつくづく思いました。
 奇形魚や環境破壊の原因でありました高知パルプ。廃業後30年。浦戸湾の生態系は回復しました。その一部である新堀川にもアカメやシオマネキという絶滅危惧種の生物も生存しています。

 せっかく回復した自然をまたも埋め立て、道路にするなどという計画は無意味であるし、先人の労苦を無にするものであると思いました。

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