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2006.08.26

二葉町自主防災組織準備講習会

 ようやく高知市二葉町の町内会でも自主防災組織の立ち上げが準備されました。8月25日は知寄町の下知消防分団会議室で町内の防災リーダーを集め開催されました。3日前の案内にもかかわらず、30人の防災リーダーのうち17人が集りました。

 今回の講師は防災関係に詳しいNPO我が家を見直す会事務局長である西田政雄さん。阪神淡路大震災や新潟中越地震の罹災者とも親密に交流され、学者や行政では得られない現地情報も織り交ぜ、実践的な交流会を開催しました。
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 パワーポイントで大枠の説明。西田政雄さんが持参した資料で自主防災組織の意義目的と、その狙い、仕組み、作り方、役割の説明をしました。何より各地域で取り組まれている実務事例にもとづいているので、説得力があります。参加者は熱心に聞き入っていました。

 西田政雄さんによれば、県などは高知県が自主防災組織率が低いことからそれを上げようとやっきになっています。しかしただこしらえば良いものではなく、実務的に地域住民のためにならなければ意味がありません。

 またこの二葉町は低地であり、1970年の10号台風で甚大な浸水被害があり、1998年の98水害でも浸水被害が出ました。1947年の南海地震でも家屋の倒壊と津波による浸水被害も受けています。
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 しかし市内中心街でもあり都市化の進展もありまして、自主防災組織はありませんでした。西田政雄さんは「けんちゃんに言われて二葉町を巡りましたが、本当に低地でしかも逃げ場のない地域ですね。公共の避難所もありませんし。鉄筋や鉄骨の建物の持ち主と交渉して、1次避難所を自分の町内のすぐ近くにつくらないと命は助かりません。
 町内会の加入者も増やす必要があるので、呼びかけをしましょう。」と言われました。

 また西田政雄さんは「4日前に正式決定した情報ですが、青柳公園に6000人の市民が3日間飲料水を確保できる「耐震性非常用貯水槽」が出来ます。また下知図書館は防災図書館として改築の計画も決まりました。」とちょっぴり嬉しい情報も。
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 しかし同時に「二葉町を含む下知は大地震時地盤が2メートル沈下し、液状化すると言われています。津波で浸水している間は耐震型貯水槽の水は使用できません。」とも言われました。

 西田さんはまた「阪神大震災でも消防などの公的救助により助かった人は僅か3%です。97%は隣近所で罹災者を救助しています。」とも。会場では西田さんが実際に車に置いている「災害時持ち出し袋」の中身の披露もされました。
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 「いわゆる防災グッズで販売されているものは高価で実際に役に立たないものも多い。多くの備品は100円ショップやスーパーで揃えられます。揃えられないものは将来町内で一括購入されれば良いです。その場合業者には、町内に協力金もお願いしてみます。」とも。

 森二葉町会長は「まずは各班ごとに、リーダーさんに頑張っていただいて班の各世帯の人数の把握が大事です。建物の状況、可能であれば高齢者や小学生以下の乳幼児の人数もつかみたい。
 秋の行楽も「防災炊き出し会」というアイデアも良いかもしれません。やらなければいけないことはたくさんあります。この講習会を契機に地域住民の意識を高め、交流を盛んにいたしましょう。」と言われました。

 ようやく自主防災組織結成の為に1歩を踏み出しました二葉町。行政側も注目しているようです。西田政雄さんという強力なサポーターの支援も受けまして、早い段階に二葉町に自主防災組織が出来ると確信しました。
 当日資料で配布されたチャート表でもしなければいけない作業はたくさんあります。でも息の長いさぎょうでなければ続かないでしょう。地域の交流など楽しみの要素を組み込み、子供達から高齢者も巻き込んだ活動を目指す必要があると思いました。

 そのなかで青柳公園を「防災公園」にする働きかけも行政側にする必要もあります。高い建物のマンションも取りあえずは津波の脅威こそないものの、電気がとまれば水も使えず、エレベーターも使えません。

 今後はマンションやアパートの住民の人たちも積極的に町内会に加入いただき活動をできるような働きかけや、活動内容が必要であると思いました。 

 (以下のファイルは自主防災組織結成と活動のチャート 西田政雄さん提供)

「bousai-c.doc」をダウンロード

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コメント

下司さんコメントありがとうございました。なるほど罹災後にはお酒は不要かもしれませんね。
 ホームタウンでのまちづくりは確かに大変。今までは「外人部隊」でヘルパーばかりでしたから。
 上手くいこうが、いくまいが逃げれませんし。中心街での活動は確かに大変です。

投稿: けんちゃん | 2006.08.27 20:52

けんちゃん、地元での地味な運動、これこそ吠えてます。
西田さんの非常袋の中、ウイスキーらしいビンが見えますが、日赤が8年ほど前の高知大水害のとき、救援箱にあるのを見つけて抗議したら以後は入れないことになっております。
サンフランシスコ大地震でも、酒はご法度でした。
日本の風習の一升瓶をお見舞いに持ってくるのは依存症を増やすので止め様と言う空気になっております。

投稿: 下司 | 2006.08.27 14:19

 どう考えても災害は来るので、まじな話し買い手があれば売って安全な町外へ写ることも考えていました。
 でも町内コミュニティを再生するので頑張りたいと思いますね。

投稿: けんちゃん | 2006.08.26 12:30

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