西村 今週の「けんちゃんのどこでもブログ」は、ブログに関連した話題をお話します。
高知シティFMでインターネット事情に詳しい戸田健史さんにもお話に加わっていただきます。テーマは「ネット上の検閲は社会の自殺行為」です。
中国当局は検索エンジン会社GoogleやYahooの協力を得まして、インターネットでの検閲を進めているようです。キーワード検索で「天安門事件」「法輪講」とい言葉を入れましても、「データがありません」とエラー表示される具合です。とても危険なことですね。
戸田 試してみました。yahoo 中国で「6・4事件」(1989年の天安門時間のことです)で検索しますと、結果はエラー表示でした。検索できません。何度トライしても結果は同じでした。
明らかに何らかの規制が入っているのですね。
yahoo中国

西村 日本であれば「天安門事件」とGoogleあたりで検索しますと何10万件もヒットしますね。
天安門事件 168万件ありました。
それが中国の検索エンジンでは出なかったのですね。
戸田 実際にそうでした。普通は全く差しさわりのない検索結果がでたり、「そんな言葉はありません」とか出ます。
西村 最近ではブログや動画配信も規制を中国は加えようとしています。「中国では自作のショートムービーやフラッシュアニメ、パロディー作品をブログなどで発信することが大流行。こうした作品中には社会や政治、政策の矛盾を揶揄(やゆ)した作品も多く、1億2300万人のネットユーザーを抱える中国としては、その影響力は見過ごせないようだ」(yahooニュース 8月19日)
こうしたパロディもご法度らしいです。
マッド・アマノのパロディタイムス

戸田 中国のお国柄からしますと、ここまで自由にやられますと、たまったものではないですからね。ましては動画ともなりますと、そのなかの100分の1コマに政治的な批判があったりしましたり。それを探すのは不可能でしょう。
どういう風に規制を加えるのか見守る必要がありますね。
西村 中国のインターネット検閲官は3万人以上入るといわれています。それが交代で24時間インターネットを監視しています。
ただあまりにそれをやりすぎますと、表現の自由の制約だけでなく、映像クリエーターなどの創造力も制約されるため、将来の中国社会においても良い影響が得られないと言われています。若手のWEB関係者の国外流出が加速されるのではないでしょうか。
戸田 十分考えられますね。
西村 「自由度」はインターネット関連や情報化社会では必要な社会環境条件です。それを規制する中国社会はやはり歪んでしまいますね。
戸田 なにもインターネットに限りません。ラジオ放送もそうです。ラジオの電波は国境がありませんのでどんどん飛んでいきます。
実際に中国当局はあるラジオ放送に対して妨害電波を出しています。将来どうなるのか想像がつきません。
西村 ローカルレベルでも高知県庁の電子公共掲示板の「ぷらっとこうち」も制約要件が多く、ルールも複雑。結局運営委員の恣意性が目立ち、公共電子掲示板とは言えない状態に陥っています。遂に8月24日に「一時閉鎖」の事態になりました。

戸田 公共の掲示板。高知県を良くする為に設置された電子掲示板。私が偶然見たときに以下の書き込みを見ました。とても印象的でした。あえて一部を読ませていただきます。
[672-36] わーい!ほめられた!(^ ^)/ てっぺん 2006/06/08(木) 07:18:26
>672-26
西村健一さんは言いました。
> 特に最近のノエルさんに対する「ふくろう」「てっぺん」「JUKURA」なる人物の書き込みには知性のかけらも感じません。
(略)
> 「ふくろう」「てっぺん」「JUKURA」はノエルさんに謝罪すべきでしょう。そして2度と品性のない書き込みはしないようにしてください。
日本一(二番目?(笑))知性も品性もない人に、知性のかけらもない、品性がない、って言われたってことは、知性も品性もあるってことだ!
わーい!ほめられた!
うれしいな!うれしいな!ワーイ♪♪\(^ω^\)( /^ω^)/♪♪ワーイ
前後の関係があっての文章でしょうが、なんだか大人げない文章という感じはしますね。個人の中傷があるのでなんですが、こうした書き込みがあるところにあなたは出入りしたいですかといえば「めんどくさい」とか「関わりたくないよ」になりますね。
実際私もあるところで電子掲示板を運営していた身としまして、いくら決まりや制約をしましてもこういう風な書き込みがありますと管理人はどうしようもありませんね。
単純にモラルとは言いませんが、直接このような表現で話し合いをしていましたら最後は暴力沙汰にもなりかねませんね。 インターネット上で自分が書き込んだことは、自分で責任を持つ。「他の人が見たらどう思うか?」そこだけは押さえていかないとどんなシステムもなりたたないのです。
「ぷらっとこうち」の存在の是非以前に見ていて首をかしげたくなるような書き込みをする人。こういう人がいること事態システムがなりたたないのです。

西村 大企業などでも業務で使用するパソコンの利用制限をしています。機密漏洩問題、個人情報が漏れた事件もありました。私的な電子メールのやり取りは、調査したりしているようです。機密保持、公共情報の漏洩対策、個人情報の漏洩対策は必要です。
でもそれが過ぎますとかえって社員の活力をそぐ結果にもつながりかねません。
戸田 そうですね。全部ととりげ、制約すれば簡単です。個人情報を扱う会社で万が一「写メール」で個人情報が撮影され流失する恐れがあるというので個人の携帯電話を取り上げました。
そうするとお客様とのやりとりも携帯電話で出来なくなり、担当者と連絡がなかなかつかない。そうした弊害(結果的に売り上げが激減)もおきています。やりすぎはいけませんね。

西村 最近は「テロ対策」を名目に政府機関の個人の通信内容の盗聴が目立っています。アメリカでも問題になりました。
そこらの問題については社会的な議論が必要で、必要以上の政府の介入は危険極まりないと思います。
アメリカでも中国でも日本でも同じです。日本でも「共謀罪」というものが出てきたりしています。
実際の検閲、密告、監視の社会になるのでとても危険ですね。
戸田 インターネット社会ではどうしても特定の人が眉をひそめてしまうことも起きます。それを解消するために盗聴というのはどうでしょうか?なんとも言えませんね。
「どこでもトラットリア。笑顔をつなごう」ではありませんが、盗聴なんかしなくても人間同士うまくやっていく方法はあるのではないかと思います。
西村 ネット社会も「性善説」で行きたいと思います。でも高い技術を持っている人がスパイ.ウェアをこしらえたり、ハッカーしたりしますし。
戸田 子供たちまでがウィルスを簡単にこしらえ送信する時代ですからね。なんとかしていただきたいものですね。
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