高レベル放射性廃棄物問題の講演会
10月15日は高新文化ホールでの講演会に行きました。「高レベル放射性廃棄物について学ぶ講演会」です。外京ゆりさんが熱心に取り組まれています。津野町議会では「断念」したようですが、東洋町では誘致の可能性があるようです。サーファーの皆さんも環境問題に関心を持っていただきたいものです。
「高レベル放射性廃棄物ですが、原子力発電で使用した燃料を再処理する際に分離した放射性レベルの高い廃液です。硝子で固められ、高さが1・34メートル、直径43センチ、重さは500キログラムあります。
日本全体で年間900トン、硝子固形体で1400本。2020年までに4万本になります。初めは強い放射能を出し、表面温度は300度。これを30年から50年冷却して、100度以下になってから地下300メートル深さの安定した地層に埋設します。
4万本の最終処分場の面積は2キロ四方が必要。建設費は1兆円。60年間操業する費用が2兆円で、3兆円かかると言われています。(原子力廃棄物を考える旅 松田美夜子著 電気新聞ブックス)」
講演会は原発問題に関心のある熱心な市民が200人ほど集まっていました。徳島県から来られた人もおられました。東洋町は徳島県の県境ですから他人事ではないのですね。
講演会は熱心に原発問題を取り組まれている広瀬隆さん(市民活動家)と、小林圭二さん(元京大原子炉実験所講師)の話でした。
硝子の筒に入れて、高レベル廃棄物を地中に埋設すると言うことですが、日本は地震列島であり、発見されていない活断層もたくさんあります。まして東南海、南海地震を想定している時期に、何故四国の高知での処理場なのか。の背景を丹念に説明されていました。
広瀬氏は「東京電力と関西電力の原子力発電所の核廃棄物は全容量の70%を超えています。廃棄物は排出者責任が第一の原則。人口の少ない過疎地域に捨てると言う発想が間違いです。」とのこと。
「調査費」といって、自治体が一度手を上げたら、二度と引き返すことはできない道です。とも広瀬氏は言われました。岡山県で反対運動を展開されている石尾禎祐さんも「甘い誘いに乗って手を上げたら降ろせなくなります。そうなれば周辺市町村や知事が反対してもどうしようもなくなります。」とも言われました。
小林氏は、1999年に東海村で放射漏れ事故があり、被爆し亡くなった人は14シーベルトの放射能を浴びました。7シーベルトで死に至るといわれています。高レベル廃棄物は1つで300シーベルトあり、それが4万本55基ある日本の原子力発電所から廃棄されることになります。大変な放射能です。
会場との質疑応答の中で「採算面や危険性も指摘されている。燃料電池の研究をまじめにやらずに日本は何故原子力発電に固執しているのでしょうか?」という質問に対し広瀬氏は「核兵器の開発も念頭に置いているのでしょう。電力会社は実は原発は辞めたいと思っている。国策でやっているのですから。とくに安倍晋三首相は危険な存在。核武装を公言していますし。」
処分のできないものはこしらえてはいけない。代替エネルギー手段を1人1人が真剣に考え、補助金で地域を売り渡すのではなく、地域を大切にして地域の経営に関与する市民にならないといけないとつくづく思いました。
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コメント
主催者の外京ゆりさんのブログにも講演会の様子がレポートされていますので、ご参考下さい。
http://blog.livedoor.jp/geki716/archives/cat_10006705.html
投稿: けんちゃん | 2006.10.16 08:13
自民党の中川政調会長は「日本に核があることで攻められないようにする為に、選択肢として核兵器の保有も議論しなければならない。」と本当に発言しました。
「憲法でも核兵器保有は禁止されていない。」とも。
与党の3役の幹部が核兵器保有を発言したことはかつてありませんでした。
日本は非核三原則を国是としています。安倍首相は即座に「非核3原則を守る」と発言しましたが、どちらが本音なのでしょうか?
投稿: けんちゃん | 2006.10.16 07:55