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2006.12.04

津野町と東洋町の動向について

西村 けんちゃんのどこでもブログの今回のゲストは外京ゆりさんです。外京さんには「けんちゃんのどこでもコミュニティhttp://www.nc-21.co.jp/dokodemo/」時代に、自力整体や映画『東京原発』について出演いただきました。また原発問題をテーマに「それがたまるか!」ブログも新たに作成されています。
 今回のテーマは高レベル核廃棄物問題で注目されました「津野町と東洋町の動向について」お話をお聞きします。
 津野町は町長が記者会見をされて「高レベル核廃棄物施設には応募しない。」と言われました。その後の動きはどうなっていますか? 町民の反応はいかがでしょうか?
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外京 町外の私には詳しいことはわかりません。町長は10月30日に「終息宣言」を出されました。でも、推進派の議員さんたちは諦めてないのでしょうか、今だに推進派の町議さんたちが町民を青森県六ヶ所村にツアーに誘っているという噂がきこえてきます。


でも、津野町の場合は長老たちがしっかりしているし、周辺住民が監視していますからね。

http://geki1015.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_8a69.html

西村 東洋町はどうなっているのでしょうか?あまり情報は入っては来ませんが。東洋町に隣接している徳島県の市民の反応はいかがでしょうか?

外京 11月19日(日)東洋町役場に隣接する地域福祉センターで、『みんなで考えよう高レベル放射性(核)廃棄物』と題する、初めての住民主催講演会がありました。原子力資料情報室の西尾漠さんが講師として東京から招かれ、町内外から約150名が参加しました。徳島県からもたくさん参加者がありました。講演会を企画実行したのは、「推進派も反対派もなく、東洋町や周辺住民みんなで考えたい」と願う若者たち有志でした。


私も参加しましたが、若者達が互いに声をかけ合い、てきぱきと動くのをそばで見ていると、「この町の将来を悲観的な状況に追いやってはならない! おとなたちが彼らの思いに応えなければ!」強くそう思いました。


http://geki1015.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_10c3.html

http://geki1015.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_5fd0.html

http://geki1015.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_febd.html


西村 高レベル核廃棄物施設の場合、調査段階でも多額の交付金が地域や周辺町村に交付されるようです。その仕組みはどのようになっているのでしょうか?

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外京 「電源三法」というのがありまして、交付金の財源は、政府の特別会計と電力会社の拠出金です。電力会社は、電力料金の一定比率分を私たち電力消費者(国民)から徴収して原環機構に出しているのです。05年の額は661億円で、国民1人平均で約600円です。月500kwh 使う家庭では、1320円/年を拠出したという計算になります。
ですから、皆さんが電気を使えば使うほど原子力発電環境整備機構(通称NUMO)のほうに献金する、というしくみになっているのです。  NUMOの交付金とはいえ、私たちの出した税金と電気料金がその財源です。


http://www.numo.or.jp/jigyou/2.html

http://geki1015.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_3260.html


http://www.pref.miyagi.jp/kikakusom/energy/02-00dengen.html  
西村 なるほどしくみはよくわかりました。交付金はどれくらい「手を上げた自治体へ降りてくるのでしょうか?

外京 応募したら、文献調査段階でこれまで年間2・1億円でした。来年度からはなんと5倍の10億円。2年間(文献調査段階)で20億円入ります。
 その後、概要調査段階では年間20億円。3年から4年わたり最高70億円が交付されるようです。
 それに加えて最近改正されたうようですが、知事にも年間12・5億円。2年間で25億円交付されるような仕組みが出来上がっています。

西村 多額な交付金が「手を上げた」自治体に交付されることは理解できました。今は国は財政難。補助金を削減している最中で、高知県などはそれにより苦しんでいますね。過疎高齢化で財政基盤が弱いです。
 その弱い自治体には大変魅力的なお話のようにも聞こえます。「実はそうではない」と外京さんは思われているようですが、そのあたりはどうなのでしょうか?

外京 そもそも「高レベル廃棄物」というものは地層処分をしたとしても、安全な状態になるのに100万年かかると言われています。当該自治体に100億円交付されたとしましても、100万年で割り算したら計算できますか?採算が取れますか?
 100万年ものあいだ放射能を出し続ける危ないゴミを、一度応募してしまえば人類が存在しているかどうか分からない、100万年先までひきうけることになるのです。
 「応募」は調査に応募するのではなく「最終処分場を受け入れる」ことに応募するのです。住民の反対に会って最終処分場候補地が決まらず、カネをちらつかせて「公募」を始めたので、「応募」については「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」にも明記されていません。

最終処分スケジュール

異様調査地区の選定

 意見は聞くけれども、その意見は専門的技術禎な意見だけ。たとえば、地層処分するには活断層があり危険ですよ、貴重な鉱物資源が眠っているから勿体ないですよ、という意見だけは聞く。当該自治体の長が、「もうお金もらったから辞めた」という意見は一切聞きません。
施行規則九条、十一条(「配意」としか書いていない

西村 応募し手を上げてしまえば、原子力の機関なりが認定してしまえば、後へ戻るとか、辞めるとかは一切出来ないのですね。

外京 そのとおりです。

西村 日本では高レベル廃棄物の処理場として決まった場所はにないのですね。

外京 自治体として正式に応募したところは今の段階で全くありません。ただ水面下で大阪府の能勢町、滋賀県の余呉町、そして高知県の東洋町ですね。そのあたりが手を上げかけている段階ですね。


大阪府能勢町

滋賀県余呉町


西村 お話の中で都道府県知事の話も出ました。橋本高知県知事はどのような考えなのでしょうか?県議会などはなにか動きはありますか?

外京 橋本知事はブログ『だいちゃんぜよ』の「札束でほほをたたくな」で、「安全神話を片手に、もう一方の手には分厚い札束を持って、交付金の魅力などで有力者を取り込んだ上で、不安を感じる住民を押さえ込んできたのが、これまでの原子力政策の手法でした。
そのことが、どれだけ多くの不毛な時間とお金とを費やし、それが、原子力発電のコストを引き上げてきたでしょうか」と書いておられました。
 それ以降の知事さんの考え方はわかりません。http://daichanzeyo.cocolog-nifty.com/0403/2006/09/index.html2006年9月15日(9月5日付け)
県議会のほうは定例県議会のなかで議論の俎上にあげていただくよう議員さんにお願いしましたが、積極的な議論には至らなかったようです。

西村 県民としてなにか出来ることはあるのでしょうか?

外京 県議会で「核のゴミはいらない条例」をこしらえていただいたらいいですね。実は現在その動きをしているのは、人形峠のウランの問題で揺れた岡山県、最終処分の研究所がある岐阜県です。また、北海道はじめ10の自治体で高レベル放射性廃棄物処分場や使用済み核燃料中間貯蔵施設の計画を拒否する条例が既に出来ています。

核施設拒否条例

西村 なるほど「核のゴミはいらない条例」を制定すれば県民も啓発されるのですね。

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