恐ろしい高レベル放射性廃棄物
録画してあったNNNドキュメントを見ました。ロシアのチェリャビンスクという州は住民の寿命が短く、肝臓や腎臓をわずらっている人が多いとのレポート。後頭部に巨大なこぶ(腫瘍)ができている高齢の男性。生まれた時から左足がない青年が登場していました。
詳しくはボラッキーさんの「NNNドキュメント06’"核の清算"を見て。」のブログを参考ください。
原因は住民が飲料水や農業用利用している近くの川が投棄された高レベル放射性廃棄物で汚染されていることです。以前旧ソ連時代は核兵器開発の秘密基地が近くにあり、その所在地も地図に載っていない存在であったそうです。40年以上前に河川に投棄された高レベル廃棄物によって今も住民は苦しんでいます。
実態が明らかになったのは旧ソ連が崩壊してからのこと。その間住民は当局から何も知らされず放射能に汚染された河川の水を利用し、子供達は川原で遊んでいたそうです。今でも川原では高い放射能の数値が観測されるようです。
ドキュメントは後半日本の現状にも触れています。以前北海道に高レベル放射性廃棄物処理場を建設する予定であった町は、「1万年以上も管理しなければならない」物質の持込に強固に反対し計画は立ち消えになったとか。
鹿児島や滋賀の高レベル放射性廃棄物処理場立地に手を上げた首長にインタビューをしていました。どちらも過疎高齢化に悩み、自主財源もなく財政が立ち行かない地方自治体でした。国からの交付金は減り、基本的な住民サービスさえも今後は実施できないほど追い込まれています。
結果その2つの自治体は住民の強固な反対で断念しました。ある首長は「いつも汗をかくのは地方。国は汗をかかない。国の方策を1地方の意思にゆだねる今の国のやりかたはおかしい」と言われていました。
現在は高レベル廃棄物処理場に応募すれば10億円の交付金を地方自治体は受けられるようです。それで現在7つの地方自治体が全国で手を上げようとしているとか。
高知新聞12月9日朝刊に記事が気になりました。
そのなかで熱心なのは高知県東洋町です。田嶋裕起町長は12月町議会で高レベル放射性廃棄物最終処分施設問題について答弁されていました。
原子力発電環境整備機構(現環機構)に対し、応募後でも地元が反対すれば選定調査を進めないことを確認する文書を出すように求めたと町議会で質問に答弁されています。通商産業省から「なんらかの形で応じたい」との回答があったことを明らかにされました。
田嶋町長はNNNのドキュメンタリー番組を見たのでしょうか?
また東洋町は30年以内に発生が予想される南海地震では震度6強の地震と、8メートル級の大津波が押し寄せるとされています。
まず住民の命と財産を守ることを第1に考えることが首長の役目でしょう。高レベル放射性廃棄物最終処分場に東洋町が応募することは間違いであります。
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コメント
私も録画で見ました。
北海道は核廃棄物拒否条例をつくったので、これを破棄しない限り処分場はできないでしょう。
投稿: げき | 2006.12.12 16:21