「硫黄島からの手紙」を鑑賞
昨日は家内と久しぶりにイオンへ行きました。2年ぶりでしたか。私たちが行かなくてもイオン高知は物凄い集客力で、正月3日で15万人が来店したと言います。大阪のユニバーサルスタジオの入場者に匹敵する人数だそうです。
プラスチックの人口空間は私には息苦しい限りですが、支持者が多いのですからね。地元の商店街へ行かずイオンに来る人が多いのでしょう。広大な店舗に商業集積し、広大な駐車場で広域から顧客を集めるしくみで「1人勝ち」なのでしょう。
政府の「規制緩和」の政策を上手に活用し、地方都市の工場跡地のまとまった敷地に出店。地方商店街を「踏み潰し」ながら高度成長してきたイオン。おかげで地方商店街は「シャッター通り」に成り果て、車に乗れない高齢者は取り残され、「買い物難民」と言われています。高知駅裏の北本町や、桜井町。宝永町などですね。
さて映画を見るために久しぶりにイオン高知に来ました。相変わらず凄い人。実は「50歳以上はペアで2000円」とあるので、1人1000円の計算。1人で行けば1800円ですからね。わたしら世代は一番イオンに行かない年齢なのでしょうね。
うちの子供が小学以下であれば何度か行っていたかもしれませんし。
シネコンは7つのスクリーンがあり、別の映画も同時に上映。350人くらいの部屋に100人程度の鑑賞者でした。あろうことか運転免許証を会場に落とし、後でイオンの人に拾っていただいたようです。自宅に電話があり、ちょうど鑑賞後での買い物中でしたので、事なきを得たどたばたまでありました。
さて本題の映画の感想。監督は異なってはいましたが、テレビで「ラストサムライ」を見ていましたし。主演も同じ渡辺謙。アメリカ人は日本のサムライ精神が好きなのでしょうか?
渡辺演じる硫黄島守備隊長の栗林中将。駐在武官としてアメリカに滞在したこともあったようですね。合理主義者で家族思いの軍人として描かれています。
駐在すると同時に島内の民間人をすべて退避させました。そのあたりがサイパンとは異なっていました。
多少なりとも連合艦隊兵力に期待していましたが、マリアナ沖海戦で航空母艦は壊滅。機動力はもやはありません。僅かに島内にあった航空兵力も本土に引き上げ、絶海の孤島で8万人の米軍を迎え撃つしかない状況でした。
洞窟を掘り、徹底した持久戦を展開したようです。武器も食料も不足気味の極限状態で戦い抜いたようです。日本軍兵士が捕虜にした米軍兵士を惨殺する場面もありました。米軍兵士も投降した日本軍兵士を「めんどうだ」と見張り役の兵士が撃ち殺す場面もありました。戦争は綺麗事ではありません。
そんななかロサンゼルス五輪で馬術で優勝した西中佐は、負傷した米軍捕虜を看病し、英語で話しかけました。お互い立場は違えど同じ人間であることを確認していました。絶望的な状況でも最善をつくす指揮官が描かれていました。
クリント・イースト・ウッド監督は硫黄島2部作で何を訴えたかったのでしょうか?硫黄島の戦いで、日本軍は本土への抑止力を失いました。島の飛行場からは各都市への無差別の空爆が行われ、日本本土は焦土となりました。
硫黄島の直後に沖縄へ米軍は上陸。凄惨な地上戦が行われます。20万人の命が失われました。戦艦大和)による特攻出撃があり、猛烈な米軍機の攻撃で4月7日に3000人の将兵とともに大和は沈没しました。
戦争は綺麗事ではない。硫黄島の戦闘は日米双方で戦争賛美のプロパガンダに利用されます。しかし現実を知る日米将兵にとりましてはおぞましいかぎりであったでしょう。
大画面でしたので戦闘シーンは恐怖すら感じました。洞窟内で追い詰めらた日本兵が自決する場面では目をそむけました。
現在イラクでもそんな状態になっているのでしょう。クリント・イースト・ウッド監督は戦争の愚かさ、おぞましさを2部作で淡々と描いているのではないでしょうか。
| 固定リンク
コメント