新堀川の歴史資源と生態系は守られますか? 5月12日(金曜)
(韓国では高速道路を撤去。昔あった河川を復元。親水空間をこしらえました。)
西村 今月の「けんちゃんのどこでもブログは、市民運動とブログについて3人のゲストとお話します。それぞれブログを活発に作成されています。
ブログ「それがたまるか」を作成し、東洋町の高レベル放射性廃棄物問題を追及されている外京ゆりさん。ブログ「高知遺産 新堀川」を作成歴史的資源と生態系維持の活動をされている下司孝之さん。
市民サイドで憲法や平和のありかたでこの3年で4回の市民講演会を開催された「サロン金曜日」の松尾美絵さんです。6月2日には「前進した6者協議・孤立する日本 拉致だけではわからない朝鮮という前田康博さん(元毎日新聞記者。大妻女子大学教授)の講演会を企画されています。
下司孝之さんにおたずねします。新堀川の歴史資源や生態系保護の為に、県議会議員立候補者への公開質問状を出されていました。候補者各位の反応はいかがだったでしょうか?
下司 今回は高知市選挙区(定数15人)の立候補者21人に公開質問状を送付させていただきました。みなさん真摯に回答していただきました。
21人中の15名の人が回答いただきました。みなさんは新堀川の上に蓋をして道を作ることは見直しても良い。と回答いただくかたが多く、昔と違い「温度差」があると関心しました。
ですから工事はどんどん進んでいますが、議員さんの道に対する情熱は薄れてきているということです。そういうことがはっきりしました。知事も最近発売された雑誌のなかでも見直しをコメントされています。
そのあたりは計画の始まった12年前と大きな違いでしょう。
西村 事業主体の高知県高知駅前都市計画課高知駅周辺都市整備事務所は、市民の要望に答えて、新堀川を暗渠にして蓋をする道路計画の変更はされないのでしょうか?昨年7月7日に新堀小学校で住民説明会もされましたが・・その後具体的な動きがあったのでしょうか?
下司 そうですね。新堀小学校から南の工区は川は残す方向のようです。知事の配慮もあったと思います。江ノ口川から大正橋方面から新堀小学校までの北部の工区に関しましては、粛々と工事は進んでいます。
なにか高知事務所と本庁と知事と市民との間に「温度差」があるようです。必ずしも高知県庁も1枚岩ではないようですし。止めても良いというひともたくさんいるんでしょうが、工事は進む。
西村 とくに新堀小学校から北の工区、江ノ口川にかけてのところです。
現在大正橋付近の工事がされています。水門も取り壊されましたし。大正橋のすぐ下流に木材の荷揚げをしたと思われる階段護岸があります。これは歴史資源であると思いますが、どうなるのでしょうか?
下司 これは県教育委員会のほうで江戸時代の雁木であるとのことです。階段護岸であり産業に役立ったものであるということです。
ですのでこれにつきましては回答なしで取り壊したり,埋めたりすることが出来ないと思います。
西村 ブログへの反応や、3月26日で閉鎖になりました県の電子掲示板「ぷらっとこうち」での反応などはいかがだったのでしょうか?
下司 県の電子掲示板「ぷらっとこうち」は閉鎖されて困りましたね。一番盛り上がっていたところでしたので。運動にとっても打撃でした。
ブログですが、県庁で動きがあるときは、議員が見られるのか、新聞社がみるのかどうかわかりませんが、アクセスカウントが跳ね上がりますね。ブログへは1日に1回書き込んでいます。
(今は廃止された「ぷらっとこうち」)
西村 浦戸湾を守る会でも新堀川の生態系の保護については関心が高いようです。新堀川での道路工事により、アカメやシオマネキに与える影響はどうなったのでしょうか?
下司 けなげに生物は生きています。生態系の調査なしに道路を工事するということはいけないと思います。
私たちは4月25日に1度新堀川で生物調査をいたします。県のほうでもこれを機会に調査をしていただきたいです。
(2007年4月29日にも新堀川で高知大学生も参加して魚類調査が行われました。)
西村 最近散歩をしていますと堀川あたりから、新堀川に浦戸湾の潮が入り、随分浄化されたようにも思えます。魚をよく最近は見かけるようになりましたし。
下司さんは「あるべき新堀川」についてはどう思われていますか?
下司 あそこは実に不思議ですね。堀川と新堀川の間では水の流れが激しいのです。それが特別に新堀川に魚を呼び寄せているのではないでしょうか?
新堀川によって高知市民も生かされているのです。二次大戦の空襲では新堀川で火災の火が食い止められました。
防災にも役立ちます。これからは新堀川周辺似歴史的人物が居住していましたので、観光の名所としての価値もあります。いちはやく桜の名所になった堀川がかるぽーとの下流にありますが、同じように新堀川も名所にある思います。
(高知市堀川の桜並木。住民が50年ほど前に植えたとされています。)
西村 堀川の桜並木も今から50年ほど前に住民が殺風景だからということで植えられました。農人町と九反田の住民力でしょうか。新堀川も都市市民の憩いの場になるといいですね。
下司 やみくもに工事するのではなく、市民に立ち止まって考えましょうと訴えたいと思います。
西村 あるべく新堀川の姿をイラストを描かれた人もおられますね。ビオトープの再生がテーマですね
下司 また県会議員選挙に前日の口新聞夕刊に新堀川のマンガがでていまして驚きました。
(高知新聞夕刊「たまるか時評」)
西村 単なる反対運動ではなく「あるべき新堀川の姿」を示したので、これは行政側にとっても無視できないとは思います。
下司 そうですね。「対案を出せ」とかよく言われますね。開発に対して対案を出せとか言われても情報のない市民はなかなかできませんよね。
新堀川の問題に関しては対案はいくつも出せますね。「緑豊かな新堀川」をイメージいただきましたら、良いのではないでしょうか。
(新堀川では釣りも可能。都市のどまんなかで釣ができるのは都市の資源。)
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