今でもラウス氏の考えは間違ってはいない
バブル経済時であったというのが今にして思えば不幸でした。アメリカの都市プランナーであるJ・W・ラウス氏が来日し日本の関係者と交流していた頃は。もう20年もまえのことになります。
郊外型大型店が出来て、中心市街地が寂れ、過疎化し荒れ果てる。アメリカでは70年代がまさにその状況でした。アメリカは80年代から都市再開発に取り組み、成果が上がりだしたのがちょうど、日本のバブル経済の頃のようでした。
日本経済が思い上がった絶頂期。アメリカはブラックマンデー後のバブル崩壊後のリストラの時期でした。なにせロックフェラー・センターまで日本企業が買収した時代でした。
ラウスさんが日本へ来られたときは、バブル経済真っ盛り。思想や考えかたよりも、成功した都市再開発のショッピング・モールや、フェスティバル・マーケットプレイスと言われていた商業施設のデザインや、展示方法などばかりを日本側は「研究」しておりました。
しかし本当のラウスさんの狙いや都市再開発の思想は、殆ど理解されていないようです。
今読み返していてもラウスさんの考えは古びていません。
都市再生のパラダイム ― J・W・ラウスの軌跡
窪田陽一 編著/岡並木 監修
編著者: 窪田陽一 編著/岡並木 監修
発行者: PARCO出版
発行年月日: 1988年12月25日 第1刷
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コメント
これよりも、30年前にジェーン・ジェイコブスという方が、『アメリカの大都市と生と死』を著しました。こちらも、先見の明がある主張として評価されています。
投稿: やっしー | 2007.06.05 09:53