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2007.07.04

揺れる東洋町を考える討論会

 なんとか仕事の都合をつけ、昼から高知大学朝倉キャンパス210番教室へ行きました。主催は「揺れる東洋町を考える会 代表山本健一 高知大学農学部学生)です。学生達を指導されている菅野光公教授から電話があり「ご多忙でしょうがなんとか参加していただきたい。」お誘いもありました。
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 ゲストは沢山保太郎東洋町長でした。壇上には司会役の人文学部の学生、コメンターは人文学部と農学部の学生3人がつとめておりました。菅野光公教授の呼びかけがあったのと、やはり今でも注目の東洋町ですので、NHK,RKC,テレビ高知と高知新聞社会部記者が取材に来られていました。ローカルニュースで午後6時10分過ぎに各局放映するとか。東洋町長選挙で見かけた取材チームが来ておりましたね。参加者は学生と市民が40人程度きていました。
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 主催者は 当初は原子力政策推進の立場の人の参加も呼びかけ、反核町長との論戦を期待する討論会を企画していたようですが、何故か推進派の学者や原子力発電環境整備機構などは出席しなかったようです。

 資源エネルギー庁が全都道府県で今年「高レベル放射性廃棄物最終処分場」の説明会を県庁所在地で実施するようです。そうであるならば、こうした討論会へも出てこられ、国民の前で説明すべきであると思います。

 ゲストスピーカーが沢山町長であり、東洋町の現状を説明されました。
沢山町長は「東洋町の財政は調べてみると苦しいことは確かだが、夕張市のような過大な負債はない。20数億円の規模で30億円程度の借金。財政調整基金も7億円程度あります。高知県下の市町村でいれば中の上クラス。原発交付金頼らなくても財政の再建は可能である。」
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 その後にパネラーの学生との質疑応答がありました。
「交付金が来て生活が今より豊になるかもしれないのに、町民の人たちは何故反対したのでしょう?。核廃棄物の勉強会などをしたからでしょうか?」

「勉強会はしました。地域の体の弱った高齢者の皆さんが声を振り絞って、放射能はいかん。と反対運動をしてくれました。自然のなかでやすらかに暮らし、安らかに死にたい。そういわれました。むしろ若い1部の人たちは仕事がもらえるというて核推進の運動をしていました。」

「沢山町長はどうして核廃棄物反対運動をされたのですか?」という学生の質問に答えていました。

「僕らの世代は広島、長崎の原爆の話はよりリアルでしたし。学生時代の授業でも習いました。また京都の学生時代に、湯川秀樹博士の講演を聞いたことがありました。湯川博士は、原爆も原子力発電も人類にとっては有害無益なものです。と言われました。その核が東洋町に来る足元に。それは絶対に阻止しなければならないと思いました」
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 また別の学生は「核廃棄物処理場は文献の調査だけで、拒否できると言われていました。どうしてでしょうか?」と質問。

 沢山町長は「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律を読みましても、どこにも文献調査で拒否できるとは書いてはいません。概要調査、精密調査とすすみ拒否は出来ません。」と明確に言われました。

「核の問題で町内が分かれたことで、今でもしこりはあるのでしょうか?」

「以前より町職員はより打ち解けてやっています。核の問題はそれぞれでしたが、仕事の能力で判断するようにしています。」とのことです。

 続いて会場からの質疑応答になりました。

「選挙後教育長が辞職し、教育委員全員も辞任しました。先日の議会で委員の4人のうち3人が信任され、1人が不信任されました。その後はどうなのでしょうか?」

「教育長は教育次長が当面兼務することで議会の承諾を得ています。不信任になった候補者は、反核運動のリーダー格の人でした。教育委員会の機能は問題ありません。ゆっくりと欠員は公募していく予定です」

「海の駅はいつごろ白浜海岸に実現するのでしょうか?」

「早ければ来春オープンをめざしています。キラメッセのような建物なら3000万円程度かかります。国の制度で過疎債という制度があり、施設建設費の7割を国が負担してくれます。
 施設運営者は指定管理者でなければなりません。法人格をもたないといけないのです。ですので農協やNPOでないといけないのです。現在住民がNPOの準備をしています。」とのことでした。

 「沢山さんのブログを見ていますと、抵抗勢力とおぼしき人物からコメントが多く寄せられていますが。そのあたりはどうなのでしょうか?」

「東洋町のいけないのは、コネ契約が多いこと。管理委託契約も町がつくっていないことが問題。結果的に法例違反になるようなことも多い。町長のハンコがあるからとか慣例だとか、なあなあでやってきた部分が多いことに驚いている。まずはそれを断ち切り、新たな契約関係をこしらえることからです。」

「コネ契約が当たり前と思い込んでいる人が多いから、ちゃんとした契約関係を確立するため管理契約条例もきちんと整備する必要性がありますね。」

最後に沢山町長はこういわれました。

「東洋町だけでなく高知県全体で言えることですが、国や県や町に依存しすぎる癖や生活習慣を改めないといけない。
 高知県は今大変。11月に県知事選挙があります。県民市民側でどういう高知県であるべきか。議論をして県民側からマニュフェストをちくるべき。
 学生諸君も高知大学は高知市中心街へ移転、高知女子大は中心街から郊外の池地区へ移転。やることがちくはぐ。自分達の問題として高知県政を考えてほしい。あるべき高知県について様々な立場の県民が企画してシンポジウムをして議論を巻き起こしていただきたい。」と言われました。

 なかなか学生達も真摯に取り組まれていました。
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