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2007.07.13

朴保(パクポー)さんトーク&ライブin室戸

 ブログでお知り合いになりました埼玉県のTさんからメールでご案内がありました。
「平日の昼の開催で無理だとは思うが、可能であれば行かれてみては」とのことでした。とは言われたものの、高知市から室戸市までは車で2時間。簡単な距離ではありませんし。でもせっかくご案内いただいたので、なんとか行きたいと思いました。

しかも台風4号の影響で大雨の気配も。とにかく大雨洪水警報が県中部、東部に出た時点で途中から引き返す予定で出かけました。途中の安芸市で3件用件もありましたし、手際よく安芸市での仕事をすませて室戸へ向かいました。
Hanetaifuu_r
 途中海沿いに国道55号線は走りますが、台風は遥か沖縄付近にいるのですが、大波が海岸には押し寄せてきています。最接近は明日の夕方であるとか。
 なんとかコンサートの時間には駆けつけることができました。

 部落差別をなくする運動強調旬間 記念講演「心ひらいて 朴保トーク&ライブ」「魂から出た歌でなければ、人の心には届かない」というテーマでした。室戸市内の4つの中学校の全校生徒が300人くらい。市民が100人くらいで会場はほぼ埋まりました。
 
 悪天候で朴さんも到着が遅れたので、30分遅れて開演になりました。Tさんの紹介ということであつかましくも講演前に楽屋にお邪魔させていただきました。
 実際にお会いしますと気さくなアーティストでした。そこでカメラマンのヒデ増田さんともお話しました。そのとき朴さんのCD「波人」を購入しました。今日の天気にぴったりです。
Pakucdm
 そして朴さんの許可を得まして会場他の写真撮影をさせていただきました。
講演会は市長や担当職員のスピーチの後始まりました。

 朴保(パクポー)さんは昭和30年生まれのシンガーソングライターです。
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 朴さんは「中学生時代は楽しい時代。楽しくやろう。」ときさくに話しかけます。ギターとハーモニカを持ち、椅子に座って話しかけます。

 さっそく「雨に咲く花」の説明を簡単にされました。東京の朝鮮学校へ通学する制服のチマチェゴリを着た女性とが電車の中で、男に切りつけられた実話をもとに朴さんがこしらえたそうです。

 踏まれても蹴られても僕らは負けないよと。朴さんは「僕は同和地区の中に住んでいたし、しかも在日コリア。これ以上ないでしょう。踏まれたり蹴られたりしてたくましくなりました。」と聴衆に話しかけます。
Amenisakuhana

 朴さんは声量があり、迫力があります。アメリカへも単身行かれたこともあったそうです。西海岸で弾き語りもしていたそうです。当時イエロー(黄色人種)の弾き語りは珍しく、地元のFM局へも出演されたとか。
 フォークソングだけでなく、ロックもレゲエも力強く唄われます。

 「イムジン河」も披露いただきました。
 「この歌は30年前の歌ですが、発売禁止になりました。北朝鮮を賛美しているというのが理由だったそうです。でも朝鮮の人には北も南もありません。イムジン河は南北境界線を流れる大きな川です。」

 そして豊かな声量で歌い上げました。フォークルセーダーズのまったりした歌とはまた印象が異なりました。
Imuzingawa


「僕は父がコリアで解体屋、母は日本人。子供のころは国道1号線沿いに家と店がありました。日本1交通量が多い国道1号線。当時は横断歩道も、信号もなかった。経済活動をとめられないというのが理由。横断しようとして何人も車にはねられましたね。僕もバイクにはねられました。
 17年前にようやく信号ができました。ひどい話です。」

「最初日本人名でメジャーデビューしました。韓国へ行ってルーツに目覚めて朴保と改名。そしたら1からやり直しに。後にアメリカへ行きました。」

「アメリカへ行ったら、ブラック、ホワイト、イエロー、レッドが混在しあたりまえに存在していますね。差別は当たり前。でもそれぞれが違いを違いとして認め合うことが大事ですね。」

「竹田の子守唄があります。これは貧しい家庭の女の子がお金持ちの家庭の幼子をオンブして子守の仕事をしています。せつなくあの山を越えれば故郷へ戻れるのにという歌です。」

 「傷痍軍人も従軍慰安婦も未だに十分に補償も謝罪もしない日本政府。やるべきことをやらなくて、軍隊出して国際貢献だと言われていますね。おかしいと思わないといけません。」と熱く語ります。

 朴さんの熱いハートを感じました。人生そのものが差別をなにくそと明るく跳ね返してきたのですから。

「ロックは世の中を良くするための音楽。アーティストは自分の考えるきちんと言えることですよ。」と熱く語る朴さん。
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 Tさんからは「可能であれば歌とメッセージに触れてください」との熱いメールでしたし。実際に聞いてみてなんとか都合つけてきてよかったと思いました。朴さんににとって音楽とは、まさに「生きている証なのである」ということでした。そのことを感じることが出来ました。

 講演終了後、お礼を申し上げました。段取りされた室戸市議のSさんにも感謝しました。懇親会も夕方どうぞとお誘いを受けましたが、台風対策もありますので、後ろ髪が引かれる思いで室戸市を後にしました。
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» 朴保コンサートin 室戸 [川越だより]
 台風の近づく室戸の海は素晴らしい。ながめていて飽きることがありません。その室戸で13日、朴保(ぱく・ぽー)さんのコンサートがありました。部落差別をなくす運動の一環として室戸市が主催し、市内の全中学生と市民が参加したそうです。そのときの様子を報告しているブログがあります。とりあえず、ごらんになってください。   「朴保(パクポー)さんトーク&ライブin室戸」     @けんちゃんの吠えるウォッチング... [続きを読む]

受信: 2007.07.14 14:08

» 朴保コンサートin 室戸(2) [川越だより]
 <けんちゃん>のブログを読んでいただけましたか。嵐が近づいている13日、仕事のやりくりをして、高知市から室戸まで90KMの道のりをものともせず、彼は朴保のコンサートに駆けつけたのです。熱心なファンならともかく、知り合ってまだ日も浅いメル友のカツヨシさんの勧めに従ったのです。見ず知らずの歌手の公演に、ならば行ってみるか、と行動する<けんちゃん>という方はどんな人でしょうか。僕はただただ、敬服するばかりです。  終わった後も、その日のうちに直ちにブログにレポートを掲載し、生き生きとコンサートの様子を伝... [続きを読む]

受信: 2007.07.16 14:46

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