ワーキング・プアの厳しい現実
NHKの番組を本にまとめたもの。一読して過酷な現実のレポートに戦慄しました。日本は「構造改革」のおかげで、かくも格差社会になったのか。また一度職を失うとこれほど貧困状態になり、憲法25条で言われている「最低限の文化的生活。生存権。国の生存権保障義務」をいかに日本政府が無視し、ないがしろにしているのか。驚きました。
本を読みますと高知の実例も。高校を好成績で卒業。地元製造会社へ就職した女性。安定した収入が確保されるので、病気の母親の為にローンで家屋を購入しました。しかしその会社は国際競争の中で主力設備をを中国に移転し高知の工場を閉鎖しました。それで従業員の国内の他の事業所への配転が言われました。
しかし病気の母親をかかえる女性は配転に応じることはできず、退社しました。しかし30歳で未婚。工場ライン勤務だけの職歴では地元では再就職先がなかなか見つかりませんでした。看護士や薬剤師の有資格者の求人はあってもパートさえない現実。
失業保険も切れる状態で、毎日ハローワークでパソコンに向い求職情報を検索するも安定した仕事はないようです。この事例のように不安定な雇用状態の人達が年齢に関係なくどんどん日本では増加しています。それが「構造改革」の現実であるようです。
本の目次を見ましても、年齢、地域に関係なく想像以上に過酷な「ワーキング・プア」の現実がレポートされています。
「貧困」の闇が広がる日本
ホームレス化する若者
崩壊寸前の地方
夢を奪われた女性
グローバル化の波にさらわれる中小企業
死ぬまで働かざるを得ない老人
荒廃を背負う子供
現実に向き合う時
どの「物語」も息を呑む過酷な現実。読んでいて他人事ではないと思いました。私なども会社をもし退社しなければならない事態になれば50歳を超えたおっさんには職場は地方では皆無です。健康保険料も税金も払えません。そうなると老後も安心していけることが出来ないのです。これはとても大変な問題です。「テロ特措法」」なんて問題にならないほど小さな問題。
ようやく先日「出来レース」の自民党総裁選挙がわかりました。「格差社会」の過酷な現実(ワーキング・プア)を見ようともわかろうともしない「ベルサイユ政治屋」の人たちにこれ以上政治を任せるわけにはいけないのです。
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