尾崎正直さんのこと
高知県知事選挙に「とり」(?)として立候補された尾崎正直さん。高知出身で経歴には平成3年に東京大経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入り。主計局主査、理財局課長補佐などを経て18年7月から内閣官房副長官秘書官。40歳であるとか。
前途有望な若手官僚です。県内の若手経済人や、自民党や民主党の関係者が「是非知事候補に」と動かれこのたび立候補を決意されたようです。
確かに40歳と若い。徳島県知事の飯泉嘉門氏が初当選時は42歳でしたから、もし当選されましたら若い知事になりますね。前途有望なキャリア役人の道を辞職し、県知事に立候補するということは「勝算」なしにはありえません。「誘致」に動いた政治勢力の皆さんは「必勝」体制を構築しないとかえって尾崎直道さんには失礼というものです。
尾崎さんは「最近は国も地方のことに目を向けています、その流れに乗り遅れてはいけない。」と言われています。「対話と実行」ということも言われています。しかし国の姿勢は本当なのでしょうか?福田内閣は「構造改革路線の継続(新自由主義=格差社会の推進)」を政策の基本にしていますね。ですので本当かな?地方人は疑いますね。
ただ気になるのは高知県民の気持ちです。16年前の1991年の高知県知事選挙。県民は「脱官僚主義」を掲げる橋本大二郎さんを30万票という圧倒的な投票で支持し、対立候補である大蔵省の官僚出身者を大差で破り知事に押し上げました。今回その橋本知事が勇退される後釜に、中央省庁の若手官僚の人がなるというのも1県民としてなんか釈然としないような気持ちです。
(選挙では圧倒的に「強かった」橋本大二郎さん。)
飯泉嘉門さんの場合は立候補時には出向で徳島県庁に着任されており、徳島県民にはなじみがありました。親しく交流している三好市の知人も、「きさくな人で官僚らしくない。」「よく話を聞いて面白い人物」と言われていた記憶がありますし。事実飯泉氏は当選後吉野川第10堰を保存運動している市民グループと直接対話もしましたし、公約のJ2チーム徳島ボルティスの支援しましたし。支援していた保守勢力の人たちともべったりではなく独自色を出されております。
国家公務員は国の全体のことを考え行動する役人です。戦前は藩閥政治に対抗し、出身身分や出身を問わず全国から秀才を東京帝国大学に集め、教育し、天皇の臣民として、「上からの近代国家」をこしらえる為の役目が官僚でありました。戦前は内務省がその牙城であったようです。
地方自治を担当するのはなんか違うようにも思えます。また転進が上手く行くのかどうか注目ですね。県民として厳しい査定が必要です。政党筋の党利党略の動きに惑わされず他の候補者の政策も吟味すべきでしょう。
地元出身で土佐高校ー東京大学というキャリアであれば、尾崎直道さんと同世代では、川竹大輔さんがいます。東大卒業後、朝日新聞に入社、三重県での商工会勤務や、津市の市議会議員の経験、高知県特別職知事秘書、高知県北海道事務所勤務、安芸市助役、県議選に挑戦。と官僚組織での経験とは異なる「得がたい」体験をされておられます。現在は市井の市民となっていますが有為な人材の1人であると思います。
今朝の地元紙一面では民主党県連が尾崎さんの推薦を決めたとか。ということは91年から一貫して松尾さんを支援してきた連合や自治労が尾崎さんを支援することになるのでしょうか。もともとは自民党の県議が誘致に動いてきた経緯からまもなく自民党県連も支援にまわるでしょう。公明党や社民党も支援するのではないでしょうか。共産党を除く県下の政党が動く可能性もありますね。
「大本命に」のしあがった尾崎さんですが、露出が余りに少なくよくわからないことは確かです。
(熱狂的で分厚い橋本大二郎さんの支援者の動向が注目されます。)
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