悩ましい松尾徹人さんのこと(その1)
今はある老舗ホテルの社長である松尾徹人さん。県知事選挙のことで長考し、悩まれておられると思います。2度挑戦し、橋本大二郎さんに敗れました。そして「政治を引退する」と言われました。もう政治活動はしないでしょうと誰もが思いました。
でもそうではないと私は思います。松尾徹人さんは山口の出身ですが、自治省(現総務省)時代に赴任した高知県のことが好きで、家族を高知に置いておられました。高知市長時代も「龍馬市長」を自負するだけあり、龍馬の扮装でイベントに参加しておられましたから本気で高知が好きなんだと思います。
1991年の高知知事選挙の折も、松尾さんは当時の高知県知事中内力さんに直談判しました。「川崎候補ではNHKのレポーター候補に負けます。行政のしろうとが県政を担えば高知はめちゃくちゃになります。私を候補に差し替えてください。」と強く要請していました。
当時連合高知の故川田拓助氏が中心になり松尾氏擁立の動きもありました。中内知事は大蔵省にも遠慮があったのでしょう。結局川崎昭典氏が自民党公認候補になり橋本大二郎氏との選挙になりましたが、30万対10万で松尾さんの予想どうり惨敗しました。
時が過ぎて1994年の高知市長選挙。4選の横山龍雄市長が勇退。後継候補として高知新聞論説委員の鍋島康雄さんが出馬しました。知事の橋本大二郎さんは鍋島さんを支援しました。
このときも松尾さんも逡巡していました。自民党や連合高知、自治労らが早くから松尾さん支持に固まっていました。その支援者の皆に背中を押され高知市長選挙に出馬されたのです。
圧倒的な県民の人気のある橋本大二郎さんが相手方候補を支援している。勝てるのだろうか。官僚らしく後先を考えたと思います。「保守市政の奪還を」という保守勢力の悲願もあり、自民党と連合、自治労の統一グループが松尾さんを強力に支えました。労組は「反共」という点。自治労とは橋本知事と県庁で対立していたこともありました。
一方対立候補の鍋島康雄さんには、橋本知事の草の根支援グループが支持を表明。高知市労連(市職労・水道労組)も支援表明。社会党と共産党が支援しました。
結局この選挙は公明党が松尾さんを支持したため、松尾さんが高知市長になりました。
この流れが後の「松尾VS橋本」の陣形の基礎になっています。つまり自民党の保守グループも分裂。旧社会党・労組も分裂。公明党は松尾支持。共産党は橋本支持という陣形が1994年の高知市長選挙から出来上がりました。
つまり1991年も、1994年も松尾徹人さんは橋本大二郎さんと戦ってきたのです。2003年と2004年も。結果は1勝3敗だったのですね。
ですのでライフワークとして高知県知事になりたい!。というのは悲願であると思います。
高知出身の若手官僚の出馬の噂もあります。事態は迷走気味。どうなるのかわかりません。
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