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2007.11.01

1市民が主催する防災フォーラムと知事候補シンポ(報告)

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  高知市永国寺町の消防分団に居住する藤島利久さんが主催して県民文化ホールのグリーンを借用して、「高知市中心市街地に自主防災組織をたちあげるための準備会」を午後6時より開催されました。

 生憎の雨と言うこともあり、また高知市中心街商店街を含む高知街地区は、繁華街でありながら午後の時間帯は飲食業は多忙な時間帯であるし、地域住民も少ないので50人程度の集まりでした。500人収容のグリーンホールではなんとも勿体無い。しかし意義のある集会であったと評価します。

 まず最初の西田政雄さんのプレゼンテーションが良かった。行政の防災対策担当者が言わないことを市民の目線で指摘されました。地震など大災害の場合の特色を西田さんはこういわれました。

1)行政は災害直後は機能しないと考えよ。

 高知市で災害があったとしても、多くの市職員は周辺市町村から通勤している人達が多い。すぐには駆けつけられない。また市職員も罹災者でもある。自分の家族を放棄して職場へいけないのは当然。地域のことは地域で守る意識が市民には必要です。

2)災害直後は偽装ボランティアに注意

 「火事場泥棒」と言う言葉が昔からあります。神戸でも新潟でも地震直後にボランティアを偽装した泥棒が多数横行しました。災害直後の行政組織(警察も含め)が機能しない空きに犯罪集団の横行も地域で考えなければいけません。

3)災害復興後の過程では被害状況や利害で地域の対立が起こる事例が多い。トラブル防止の手立てが必要です。

4)防災訓練は家族全員で参加。介護を受けられている家庭も防災訓練に参加しましょう。訪問介護サービス員は災害時には手助けできませんし。地域のお付き合いがお互い大事なのです。

 土木研究所が監修したという地震対策のDVDは初めて見ましたが迫力があり、短時間によくまとめられています。行政の役目と、地域住民の役目がきちんとよくわかりました。

 まとめとして西田政雄さんは、高知はプレート型の巨大地震が襲来すれば、少なくとも全県下が山古志村のように「陸の孤島化」します。各過程で最低1週間分の水と食料を確保することを準備してください。

 また地域の自主防災会の役目は、町民に「防災カード」を配布し、各人の連絡先や病歴、血液型、薬の種類がわかる情報を携帯する小道具をこしらえることも大事であると。

 第2部は高知県知事候補者も参加して、「行政と防災と県民参加のありかた」についてそれぞれスピーチをしました。登壇は50音順でありました。
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(登壇し代読される尾崎正直夫人)

 まず尾崎正直さん。生憎ご本人は幡多地方へ出張で日程調整ができないということで、代わりに奥様が本人のメッセージを代読されました。「県民と行政との協力関係」「対話と実行の県政」を強調した差しさわりのない文章でした。美人と言う噂の奥様でしたがそうでした。

 国松勝さんも日程の都合で現れませんでした。メッセージをFAXで送信されたようで、司会の藤島氏が代読されていました。「きめ細かい対策が必要」「東海地震並みの国の支援をとりつける働きをする」というメッセージでありました。

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(関谷徳さん。なかなか力強い口調でした。)

 続いて関谷徳さん。「高知県内取材を通じて県内事情は理解している。」「95年の阪神大震災時は松山支局にいました。震災後5日目に神戸に応援取材にとの職務命令。自分地震は地震の体験がなく正直怖かった。神戸は想像以上の惨状に驚きました。そこで生活とはなんたるかを
理解できました。」

「取材が目的でしたが、避難所を訪れると、迷子が多いのに驚きました。気がつくとこの子の親御さんはいませんか!と叫んでいる自分がいました。」

「行政の役目は市民の命を守ることです。市民は自分でできることは自分でやることです。高知県は貧しいと言われていますが、贅沢さえしなければ皆生きていけます。」

「新しく津波からの避難施設をこしらえることも必要ですが、県下には使用されていない施設も多数あります。それらを災害用の施設に作り変えます。火事については1人1人が防火意識をもつことでしょう。

 なかなか見かけより「熱い人」であると思いました。

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(近森節は健在。具体論がありました。)

 最後は近森正久さん。防災対策も経済人らしく具体的。

「今中央高校では井戸を掘っています。災害対策です。飲料水用と生活用、近隣の市民のためです。水道ですと経費が1500万円かかりますが、井戸ですと600万です。」

「高知市内でも何箇所か井戸を掘れば周辺住民の飲料水はまかなえます。ただし地盤沈下や津波による浸水が予想される地域では3メートル程度かさあげする必要があります。」

「津波が襲来する海浜部には3階建て以上の建物がない。これを整備する必要がある。」

 得意の経済振興策については「高知県には4300億円の借金があります。高知県の資産は2兆3千億円あります。高知は貧しい県ではありません。県内企業の業績が悪いので四国銀行も高知銀行もお金の融資先がなく困っています。県もからめて地震対策を徹底してやれば2年で高知の経済は良くなるでしょう。」

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Chikamori

 講演のあと関谷さんと近森さんとは名刺交換しました。関谷さんは10年ほど前からご家族は高知に住まれているそうです。単身赴任で勤務されていたとか。わたしのブログも読んでいると言われました。

 近森さんは青年会議所時代からよく知っていますが、今時高知県では珍しく元気のある経済人。独特の手法をとうとうと述べる「近森節」は健在。「僕は経済効果に裏付けられた政策をもっているからね。」とのこと。

 ちなみに4人の県知事候補が揃い踏みをするのは11月4日(日曜日)高知女子大学203番教室だそうです。田中きよむ教授のグループが主催され、4時半までの予定で知事候補の討論会されるそうです。

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