高知県知事選挙ー盛り下げたメディアの責任
高知県知事選挙は史上最低の投票率。結局尾崎正直新知事は28%程度の県民の支持しか得られていないことを肝に銘じるべきでしょう。これほど低得票率になった原因は地元メディアの報道姿勢に大きな要因があると指摘したい。
問題を「橋本知事が不出馬表明したのが8月1日だった。「意中の人が県幹部でその人が固辞したのが9月末だった。」「候補者が内定した時には知事選の前哨戦は終わった。」とかあたかも橋本大二郎知事の責任があるかのような論調。
確かに「選挙には圧倒的に強い」橋本知事の動向は、「束になってもかなわなかった」政党筋や組織のお歴々にすれば連戦連敗だっただけに気持ちはわからないわけではない。日和みになるのも当然でしょう。
しかし県政全体をみれば誰が知事になろうが問題は山積みなのは当然。高知県は景気が悪いと言われてもう10年になります。高知市の飲食繁華街の柳町のネオンの灯がだんだん少なくなり、通りを歩く人が少なくなった生活実感は常に感じるからです。
(地元建設会社は次々と倒産ー廃業し失業者が高知にはあふれています。)
特にこの7月以降、石油価格の値上があり、また今年住民税が3倍になったことや、老人医療費の値上の動きもあり、9月以降個人消費ががくんと減少に転じました。
公共事業費は右肩下がりに下降しています。高知県の大手土木建設会社3社が倒産、1社が実質廃業に追い込まれました。老舗の衣料販売店も廃業しました。
石油が上がれば施設園芸も、漁業も、食品加工業も、流通業もすべてに影響が大です。そのなかで苦闘する県民の姿を全く県知事選挙で取り上げていません。
今年前半の大きな出来事は東洋町での高レベル放射性廃棄物最終処分場についての問題でした。東洋町長選挙で賢明な判断を東洋町の人達がしていただいてお陰で、高知県の自然が救われました。
東洋町長選挙レポート
(東洋町の皆様の賢明なご判断で高知嫌県の自然が救われました。)
その後新潟中越地震があり、柏崎刈羽原子力発電所が罹災しました。信じられないことに周辺の活断層の調査をしていないことが判明しました。また青森県六ヶ所村の核燃料中間処理施設が本格稼動しようとしています。
そんな矢先に、県知事選挙の直前にあの原子力環境整備機構から「高レベル放射性廃棄物処理場へ応募しませんか」とエントリーシートがあろうことか東洋町へも来たそうです。ということは高知県のすべての市町村に来ている可能性があります。
「一次産業を振興し、その産品を都市部で売り、観光とともに高知を売り、雇用を作り出す。」4人の知事候補者は皆それを言いました。
強硬に高知県への核施設に反対していた橋本知事が去ります。尾崎正直さんはこの高レベル放射性廃棄物最終処分場への態度が曖昧でした。県知事の権限は大きい。港の使用権限があるからです。
高知県知事候補者への公開質問状と回答
このあたりを掘り下げた報道がなかったのは報道機関の怠慢。もしくは「争点隠し」としか思えません。高知県知事選挙を盛り下げた原因は高レベル放射性廃棄物問題を掘り下げない報道機関にも一因と言えますね。
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