再生紙偽装 製紙会社の言い分もわからないわけではない
相次いで大手製紙会社が「再生古紙」の混入率の表示に偽装があったと追及され、社長連中が例によって「横並び」の謝罪記者会見をおこなっておりました。そもそも古紙の再生自体に無理があると思いますね。
白さと品質が要求され、同時に環境対策とやらで再生古紙を40%混入しなければならない。それが政府の言う「グリーン購入対策」であるとか。そもそもそのグリーンなんたるやがおかしい。
少し観察すれば私のように紙のしろうとでもわかることがあります。ちり紙交換で出す新聞や雑誌やダンボールからは白いコピー用紙は製造できません。出来るのは茶色のダンボールだけでしょう。
古紙は印刷インクやコピーのトナー粉が紙に付着しています。それを分別し、取り出して紙を製紙しなければなりません。大変労力とコストがかかる作業でしょう。それで抄いたところで白い紙にはならないと思いますね。ユーザー側は白い良質の古紙でなければ、コピー用紙や名刺の用紙などにはならんので受領しないでしょうし。最初から無理な話ではなかったのかと思いますね。
そうであれば新しいパルプ原料から紙を抄いたほうが安くつくと思いますね。コピー用紙や名刺用紙などは。
28年前に倒産したある製紙会社も古紙を使用したプラントをこしらえ経営の建て直しを図るとのことでした。しかし当時から良質の古紙を集めることが難しく、牛乳パックの裏の紙が良質古紙になりますが、それを分離し、運搬するコストに食われ結局頓挫し、その製紙会社も廃業しました。
今回は日本を代表する超大手の製紙会社なのでそのあたりをクリアしていると思いきや、全然そうではなかったということですね。良質の古紙(コピー用紙など)はかなり中国へ輸出され、古紙の原価が高い。顧客からは品質も要求される。その矛盾に大手会社も対応できなかったということです。
環境対応とはないか。再生は可能なのか。浮ついたヒステリックな底の浅い議論ではなく根本から考えていただきたいと思いますね。
| 固定リンク
コメント