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2008.02.10

新堀川を埋め立て道路にしてはならない  2月15日(金)

西村 今月の「けんちゃんのどこでもブログ」は、都市問題をテーマにコメントをさせていただきます。高知シティFMの戸田健史さんにもお話に加わっていただきます。

 この不況の中、多額の公共投資がJR線の連続立体交差、高知駅前再開発、高知市内3箇所での区画整理事業(弥衛門、北本町、潮江)で進行、また高知市は春野町と合併しました。

 その反面、歴史的資源と環境が回復してきた浦戸湾最深部の新堀川を埋め立てて県が道路をこしらえ、高知市は追手前小学校を廃校にし、そこへ商業施設をこしらえるとか言っています。全く的外れな再開発計画なので、高知市の1市民であるけんちゃんがコメントします。
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(JR高知駅付近の連続立体交差事業はまもなくj完成します。)
 今回のテーマは「新堀川を埋め立て道路にしてはならない。」です。


高知駅前再開発の一環と称して高知県土木部都市計画課高知駅前周辺整備事務所県道一宮(いっく)-はりまや町線の道路工事のため新堀川を破壊し道路をこしらえています。公費は110億円とされています。全く無意味な工事です。

戸田 車のことしか考えていない典型的な例であると思います。高知駅前再開発の一環なんですね。しかし駅であれば鉄道など公共交通機関の考えなければいけないのに、なにか車のことばかりが優先されていると。

 結局それで駅前再開発したとしても、皆目的地に車で行くものですから、鉄道のほうもかえって廃れてしまうのではないでしょうか。そういう図式が見えてしまうようですね。なんとも矛盾しているようですね・・。
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(全く無意味な県庁の道路工事で破壊が進む新堀川)

西村 矛盾もなにも、県が公共性を強く主張している「県道一宮ーはりまや町」道路の自動車交通量予測のデータも10年前のデータです。これだけ逼迫しているから道路をこしらえなければならないとから必要なんだとの主張。

 10年前にはイオンもなかったし、北部環状線沿いの専門量販店もありませんでした。とでん西武もありましたし、映画館も高知市中心街にありました。商店街の通行人の数がかつては5万人だったものが、今は1・5万人に減少しておりますし。Ion1

(今やイオン高知が高知市中心市街地ではないのか)
 激減していますので、全く無駄な公共投資による道路と言えますね。


戸田 ましては高知市内の道路で「車が多くて常時渋滞していて困る。」 という話は最近は聞きませんよね。特に整備しようとしている新堀川周辺で渋滞で困っている話も聞いたことはありません。

西村 全くナンセンスな話です。新堀川の貴重な歴史的資源を破壊して、110億円という税金を費やし、財源の豊かでない高知県が事業を進めているのは本当に愚かなことであると思います。
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 今度韓国大統領になった李明博氏(イミョンパク)は、ソウル市長時代に幹線道路と高速道路を引き剥がし、ソウル市中心部に王朝時代の河川であるチョンゲチョンを復元させました。その周辺は市民の憩いの場となり、観光地になりました。
 だれもが「ようやらんろう」と思っておりましたが、李明博氏は400億円の拒否をかけてそれをやり遂げてしまいました。

 チョンゲチョン(清渓川)の周辺はソウル市民の憩いの場となり、同時に国際的な観光地に成りました。その成功事例もあり今回の大統領選挙では李明博氏(イミョンパク)はソウル市民の圧倒的な支持を得て当選したのです。

 高知県庁はそのことを見習うべきでした。


(参考)
 
 ソウルの親水空間「清渓川復元事業」と新堀川


 ソウルの親水空間清渓川復元事業の影響は?
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戸田 「清渓川復元事業」については以前下司孝之さんのゲストの時にも取り上げました。実に見事なことでした。世界的にも注目されています。環境面でも見習うところは多いですね。

西村 「清渓川復元事業」も事例です。都市の潤いは昔からうよく言われていますが、ウォーターフロント(水際)です。またそれは都市中心部のすぐ近くになければなりません。高知市では新堀川がまさにそうでした。それを無残にもつぶしています。道路をこしらえても環境破壊ですし、観光の振興には全くなりません。

 大阪の道頓堀やパリのセーヌ川も川とともに街が発展してきた例です。
 セーヌ川を潰して道路にすることはしない筈です。そう考えることを高知市長も高知県知事も議会も考えが及ばないことはとても残念です。愚かなことです。

戸田 せっかくの「目玉」になるものをつぶして、ただ道路になるだけのものをこしらえるというのは、もったいないことですね。公費でそれをしていることももったいない。「もったいない」その一言につきます。

西村 理想を言えば、土佐堀も掘り返し、はりまや橋を川にかかる橋にし、大丸前まで川にすることです。わたしの子供の頃は大丸まで川がありました。

 ところが高知市はその土佐堀を埋め立て、鉄骨作りで観光バスの駐車場をこしあれています。完全に掘り返すことをしないということを高知市長は宣言したことになりますね。

 観光バスの拠点にすると言いますが、がっかり名所のはりまや橋。歴史的資源のある新堀川も埋めてします。なにを見せるのかが不明ですね。
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 むしろ土佐堀を掘り返して、そこから桂浜方面への巡航船が往来するようになれば理想です。そういうことでもすれば観光にはなるでしょうが、バスの駐車場をこしあれてなにが観光なのでしょうか?

 シャッターの閉まっている商店街を見せるのでしょうか。

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(全国何処でもかつての中心商店街はシャッター通りになりました。)
戸田 はりまや橋も現在では魅力がありませんし。

西村 がっかり名所ですね。高知の恥を全国発信しているようなもんですね。 現在の新堀川の道路工事は規模を縮小。道路も途中から2車線にする。周辺環境に配慮したコミュニティ道路にすべきでしょう。

 水辺の潤い。歴史的な資源の活用、環境への配慮など活用自在でしょう。観光資源にもなります。新堀川の歴史資源の階段護岸なども活用できるでしょう。
 そういう前向きな設計変更を何故しないのか。県庁の姿勢は「怠慢」としか言いようがありません。「思考力が低下」しています。低下どころか停止していますね。
 こんな無意味な破壊活動にどうして「税金を費やすのか」私は申し上げたい。

戸田 環境に配慮することが今の時代は言われています。なのに10年前、20年前の基準にしがみついている。もっとやりかたがあると思いますね。
 ただの「時代遅れの場所」に新堀川の道路はなりかねませんね。

西村 新堀川全体を屋根のない「新堀川ミュージアム」「博物館」にすることです。博 物館や記念館を箱物のなかに閉じ込めるのではなく、街全体をそのようにすることが大切ですね。

 既に愛媛県松山市が実行しようとしています。「坂の上の雲まちづくり」を中村市長が提唱し実行しています。実際に松山市全体をミュージアムにするんだとの意気込み。

 事実歴史的資源は分散しています。正岡子規の資源、秋山兄弟のゆかりの歴史的資源。ロシアの捕虜の痕跡などなどを。それをあつめて博物館に「閉じ込める」のではなく、それぞれを観光客や市民が探索していただいて路面電車で巡回していただくとか。バスで巡回してもらうとか。そういうしくみづくりにトライしているようです。

 長崎市も「さるき方でしたか「ぶらぶら歩き」でしたがヒットしましたね。それを企画したのが、今の長崎市長です。
 そういう高知の「今あるもの」「あるべきもの」を大事にすれば観光に生かせます。そういう事例は既にあるのです。

そうすることで初めて土佐堀を埋めた観光バス駐車場が活用されるでしょうし。
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(ニューヨーク市のウォール街からピア17への街路周辺は「サウスストリート・シーポート・ミュージアム」として街全体が「歴史博物館」のようでした。
戸田 あるはずですね。

西村 市民のひそかな楽しみでした紙の門松の配布(75万円程度)を廃止するのに、このような無駄な公共投資を行っている。高知市政も県政もおかしいのではないかと思いますね。


 ソウルの親水空間「清渓川復元事業」と新堀川

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(新堀川周辺の歴史を学ぶ熱心な市民も増加しました。)

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» 2車線化は可能か? [土佐ローカリズムちや]
けんちゃんがはりまや町一宮線の途中2車線化に言及しちゅう。 自分もそこはイメージとして持っちゅうので もう少し掘り下げてみたいと思う。 これは専門の団体の方がもともと言及されよったことかもしれませんが 一応、自分のイメージを書いてみたいと思います。 これが完成予想図 追手筋弥生町線というのがどこかはっきりとはわかりませんが そこから南側を見直したいと知事は言いよりましたので おそらくは新堀小の北西交差点から南側のことやろうと思いますが そこから南は2車線でえいと思います... [続きを読む]

受信: 2008.02.10 15:24

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