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2008.02.17

鉄道。路面電車・バスの最大活用を  2月22日(金)

西村 今月の「けんちゃんのどこでもブログ」は、都市問題をテーマにコメントをさせていただきます。高知シティFMの戸田健史さんにもお話に加わっていただきます。

 この不況の中、多額の公共投資がJR線の連続立体交差、高知駅前再開発、高知市内3箇所での区画整理事業(弥衛門、北本町、潮江)で進行しています。土地価格が下落するナカでの区画整理事業という珍しい事業です。
 また今年の1月に高知市は春野町と合併しました。
Shinborihakai

 その反面、歴史的資源と環境がようやく回復してきた浦戸湾最深部の新堀川を埋め立てて県が道路をこしらえ、高知市は追手前小学校を廃校にし、そこへ商業施設をこしらえるとか言っています。全く的外れな再開発計画なので、高知市の1市民であるけんちゃんがコメントします。

 今回のテーマは「鉄道。路面電車・バスの最大活用を 」です。
 このテーマは昨年8月番組に登場していただきました筑波大学大学院生の野本靖さんが提唱してきたものです。

全世界的に自動車通行に肩入れし、幹線道路沿いに大規模な商業店舗を出来ると例外なく従来の都市の中心市街地は寂れ衰退します。結果「シャッター通りと」なり住民は大変不便な生活を強いられます。日本全国各地、全世界どこでもそうらしいですね。
Niihama01_thumb

戸田 どこでもそういう現象が出るのがわかっていながらそういうことをくりかえしているのですね。
 昔は高知市中心街商店街と言えば大変な賑わいでした。休みの日や普段の日はそこへよく出かけたものでした。
 ふと思ったのは商店街に住んでいる知り合いなどは。生活も裕福。休日にはゆったり優雅に旅行などという話は昔はよく聞きました。今はまったくそんな話は聞きませんので様変わりです。
 地元商店街はどんどん衰退しているというのが現状ですね。

西村 これだけ郊外型で自動車交通とリンクした大型量販店や専門店が張り付きますと土地代の高い中心市街地は当然同じ土俵では全く対抗できませんね。北部環状線沿いのイオンの周辺が商業集積になってしまいますね。
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 自動車交通にとって不便極まりない高知市中心街商店街が衰退するのは当たり前ですね。中心商店街の人達が車での来店を想定している限りは未来永劫にイオンには勝てないでしょうし。

 ですから「地方の公共交通の活用」と「土地利用計画」と「環境」、「福祉」ががリンクした都市再開発が必要でしょう。高知市は全く出来ていません。てんでんばらばらです。
 それでいろいろと野本靖さんに教えていただきましたのはブラシルのクルチバ市のような「身の丈」にあった都市計画が高知には必要です。。
 高知には都市計画は存在していません。あるのは道路整備計画だけです。だからむやみに自動車道路ばかりこしらえ、都市を衰退させているのです。

戸田 具体的にはクルチバ市はどういうことをしてういたのでしょうか?
Kuruchibahon1_r

西村  野本さんに借りた本「人間都市クルチバ」とか「都市の針治療」などを読みました。印象深かったのは路線バスの活用でしたね。
 いつ来るのかわからない。あてにならない路線バス。市長はすぐ対策を打ちました。自動車道路の一部をバス専用レーンにしました。それだけでなくバス停もバスの昇降口と段差がなくすぐに乗り降りできるように改造し、雨に濡れないようにドーム型の屋根もつけました。それで定時運行を確立しました。たとえ空車であろうが時間道理にバスを回して市民の信頼を勝ち取りました。

 シャトルバス状態にしたのです。乗降客が増加、車の通行量が減少し、よりバスは快適に走行できるように成りました。

 ブラジルで歩行者天国も最初に実施しました。最初は車での来客が減ると商店主が大反対しましたが、実施すると商店の売り上げが今までの3倍になりました。車に煩わされることなく散策ができるようになったから買い物がゆったりできるようになりました。

 他の商店がも「うちでもやってくれ」ということに成り、広がったそうです。それで中心市街地商店街が蘇りました。「ゆっくり歩いて散策できる商店街」になったがために商店街の売り上げが伸びたのですね。

 参考ブログ記事

  「都市の針治療」を読んで

 「人間都市クリチバ」を読んで

戸田 うまくいった図式のようですね。車にとって少し不便な都市にしたほうがかえって市中心部は繁栄するという実例ですね。
 車にとって便利な都市が繁栄すると考えがちですが、全然違っているということですね。
 車に乗っている人は大いにしろごく1部に過ぎません。車に乗れない人、公共交通機関を利用している人にも配慮した都市づくり、中心市街地づくりをしていけば、おのずと成功のパターンが見えてくるでしょう。結果地方都市でも活性化するということになります。

西村 クルチバ市の事例やその観点から見ますと高知市には「都市計画は存在していない。」となりますね。あるのは道路整備計画だけですね。
 やたら税金で自動車道路ばかりこしらえた都市は、郊外分散型の効率の悪い都市に成りやがては衰退するのです。
Densya

戸田 「車がないと不便な都市が高知市」だと昔から言われましたが、ここにきてよけいにそうなり不便きわまりない都市になりつつありますね。
 郡部はどんどんバス路線が減便されたり廃止されています。高知市内のバス路線も廃止や減便されていますし。自分で車がないと身動きできない都市になってきています。

西村 世界の都市を観察しましても、都市再生に成功した町はどこも自動車を上手にコントロールしています。市内中心街には車をなるべく入れない。トランジットモールにしています。そのかわり路面電車を無料(アメリカのポートランド市など)にしたりしています。ヨーロッパの都市などそうなっていますね。

 福祉の観点からも交通移動手段は研究すべきです。地方公共交通の最大活用すべきです。交通ろ福祉とのリンクも必要です。
 車万能社会では都市は再生できません。きちんと観点をかえれば高知市の再生は可能です。

戸田 そうであると思いますね。
Basu

西村 高知駅前の再活用は公共交通の面でも重要です。バスターミナルが通勤・通学客にも利便性があり、観光客にもわかりやすい機能をもてるのかが大事なポイントになります。

戸田 バスターミナルは今はないに等しいです。「わ駆りやすく。便利な」バスターミナルでないと意味はないですね。わかりやすくて乗りやすくて、便利なものをつくらないといけないです。


西村 環境問題に配慮するのであれば、高知市では自転車の活用も必要です。高知市の市街家畜であれば自転車で用事をすませることは可能です。市内は坂もなく道は平坦ですので活用は可能です。
 自転車と鉄道、路面電車、バスとのリンクも必要です。

戸田 この部分は全然できていませんね。マイカーとのリンクは意識されていますが。自転車というのはまだまだ意識されていませんし、リンクされていません。

 私は自転車通勤しています。仕事で廻るときにバスや路面電車で廻ろうとしますと自転車を安全に駐輪させるとこがありません。うかつなところへ駐輪しますと違反ですし、盗難の可能性もあります。自転車と公共交通機関のリンクも研究し、実施する課題ですね。


西村 以前番組に出演いただきました野本靖さんは、自分なりに研究してごめん・なはり線と後免町駅乗換えで土佐電鉄との乗り換え時刻表をこしらえました。これですと住んでいる知寄町からごめんまで路面電車で行き、後免町駅でごめん・なはり線に乗り換え夜須へ行くことができます。

 年末の夜須での忘年会はこのルートで往復は可能でした。当時そのことを思い浮かばなくて知りませんでした。ですので知寄町から路面電車ではりまた橋乗換えで高知駅へ。高知駅からごめん・なはり線で夜須へ行きました。

 時刻表でみると1回の乗り換え(ごめん終点ーごめん町駅)ですむので楽なんです。

 参考ブログ記事 

 高知から持続可能な交通を実現する(29) 「ごめん・なはり線と土佐電鉄の連絡時刻表」

 

戸田 そうですね。距離的にも高知駅を経由するとロスになっているようですね。私は鉄道や路面電車が好きですから気付いていましたが、そのことに興味がなく知らない人は思いつきませんね。
 乗り継ぎのことも知らないと使えませんし。

西村 戸田さんのように鉄道マニアと言えば失礼かもしれませんが、鉄道に興味のある人なら簡単に発見できるいでしょう。普段のらない市民は気がつきませんし。

 それが出来るのであれば、野市方面、夜須方面であれば、ごめんまで土佐電鉄で行き、ごめん町えきからごめん。なはり線に乗り換えればいいのかというこになれば利用方法がありますね。JR高知駅経由とはまた別の方法ができますね。選択肢ができるからいいですよ。

 それを知らないから、電車ではりまや橋で乗り換え、高知駅まで行き、高知駅初のごめん・なはり線に乗車していましたし。

戸田 ごめん町駅はエレベーター施設もありますから高齢者や車椅子の人も短時間で乗換えが可能です。
 そういうことを知らないから利用者が少ないのですから。情報を事業者側も地方公共団体も広報すべきでしょう。

西村 乗り換え時刻表を周知徹底すればくろしお鉄道も、土佐電鉄も双方に利益が出ます。いきなり「直通運転」は無理でもまずは情報の直通運転からです。
 都会の地下鉄の乗り換えの乗り降りの苦労から言えばなんでもありませんし

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