高知駅前再開発の展望は? 2月8日(金曜)
西村 今月の「けんちゃんのどこでもブログ」は、都市問題をテーマにコメントをさせていただきます。高知シティFMの戸田健史さんにもお話に加わっていただきます。
この不況の中、多額の公共投資がJR線の連続立体交差、高知駅前再開発、高知市内3箇所での区画整理事業(弥衛門、北本町、潮江)で進行、また高知市は春野町と合併しました。
(弥衛門地区での区画整理事業。まだ家屋は建っていません。)
その反面、歴史的資源と環境が回復してきた浦戸湾最深部の新堀川を埋め立てて県が道路をこしらえ、高知市は追手前小学校を廃校にし、そこへ商業施設をこしらえるとか言っています。全く的外れな再開発計画なので、高知市の1市民であるけんちゃんがコメントします。
(高知県庁土木部都市計画課高知駅前周辺整備事務所による歴史資源の新堀川を破壊し進行する無意味な道路工事。多額の税金が費やされています。)
今回のテーマは「高知駅前再開発の展望は?」です。
10年がかりで工事が行われていましたJR土讃線の連続立体交差事業ですが3月に完成します。完成後は高知市中心部の布師田から入明までは踏切がなくなり、自動車交通がスムーズになるという説明を県側がしています。
自動車交通さえ便利になれば全てが解決すると高知県庁は思い込んでいます。連続立体交差で利益を得るのは北部環状線沿いにある大型量販店や専門店だけです。愛宕商店街などは通路になりより寂れるのではないでしょうか?
(イオン高知への通路となる愛宕商店街。シャッターは開くようにはありません。)
戸田 今でさえ北部環状線沿線は異様な発達と賑わいがあります。車で行かれる人はそこで人とおりの買い物をして戻るという図式が出来ました。そして商店街は来るまで通過するだけの通路になりました。結果シャッターが降りている商店ばかりになりました。
車で直通できなかったところがスムーズにいけるようになれば、よりその現象が進みますね。
西村 500億円かけた公共投資で北部環状線沿いにある大型量販店や専門店だけが利益がでる連続立体交差と道路をこしらえたのか?そのためなのか?とうがった見方をしてしましますね。
行政側は「そういうつもりはない」と言い張りますが、結果的にそうなってしまうのは明白ですね。
戸田 駅というか鉄道にとっも良い結果は生みそうにもありませんね。
西村 そうだと思いますね。
マイナス面ばかり指摘しました。ではプラスの面の検証も必要です。JR高知駅北側の高知市所有地(昔市営住宅がありました)が一部が国の合同庁舎(税務署や法務局、財務局などが入居予定)になり共同ビルが建ちます。
長距離バスや路線バスのバスターミナルになります。こちらは少しまちづくりの期待があると思います。
特にバスターミナルのこしらえ方や他の交通機関との接続が大事です。
(高知駅北側にバスターミナルが出来ます。9
戸田 現在高知市内にはバスターミナルは存在しないに等しいです。高知駅にあるのは高速バスの停留場ですし。それも決してわかりやすいとは言えないですね。
市街地を走る路線バスも高知駅で走れば随分苦労しないと駄目ですね。
どこへいくのに、どのバスに乗ればいいのか。よく私もはりまや橋付近で県外の観光客に「桂浜へ行くにはどこで、どのバスに乗ればいいのでしょう?」と聞かれることがあります。
即答できませんし、案内板を見てもちっともわからないのです。わかりやすさ、便利さ。きっぷの買いやすさ。このへんでしょうか。絶対的なポイントに成りますね。そうでねければバスターミナルとは言えないでしょう。
(景観に配慮した(?)高知駅ビル。杉の集成材を使用したことで県産品の木材を使ったそうです。)
西村 鉄道や路面電車、バスなどの地方の公共交通機関の利用促進策や、プランが高知駅前再開発では見えて来ません。バスもどう乗り換えていいのかわからない。ビジターの観光客なら尚更です。
桂浜から戻ってきて五台山へ行くのはどう行くのか。どこでわかるのか。インターネットで検索できるようになっているのか。それすら難しいそうなんですね。
自動車交通の利便性だけで鉄道を高架にしたところで都市は発展しません。
四国の先行事例では10年以上前から香川県丸亀市や愛媛県今治市があります。鉄道高架になっています。しかし両市とも駅前は寂れています。無残なものです。高知市も現状ではそうなるでしょう。県と市に任せておれば酷い結果は目に見えています。
丸亀駅前など駅前に日本を代表する現在美術の巨匠の猪熊源一郎美術館があります。しかし駅前商店街は殆ど締まっています。ある時駅前に宿泊したものの開いている飲食店をみつけられず、やむなくコンビニで弁当を購入したこともありますたし。
戸田 宇田津のあたりも鉄道高架になっていますが、広大な空き地が広がっています。
西村 瀬戸大橋の完成を見込んで行政側が流通団地の形成をもくろみましたが、企業側は対岸の岡山に流通基地をこしらえ四国からむしろ撤退しました。コンビにも弁当も岡山から来ますね。
トラックは対岸から。営業マンはマリンラーナーで来て車を四国に置いて四国を巡回するスタイルになりましたし。行政側のもくろみが外れた現実の事例ですね。瀬戸大橋が出来て今年で20年目ですが広大な空き地はそのままなのですね。6車線の道路が虚しい。きちんとそのあたりを押さえて都市づくりと公共投資しないと亡びてしまう実例ですね。
戸田 列車から眺めてなんでだろうと思っていました。
西村 都市再生と地方の公共交通機関とのリンクが都市計画でなされていません。高知市の場合は。ですので自動車の利便性を無批判に行政側(県。高知市)が信仰した結果、歴史の資源の宝庫の新堀川を高知駅前再開発の一部と称して道路にして破壊し埋め立てたりはしない筈ですね。
歴史を勉強すればあんな無謀なことはできません。またせっかく生コン事件以来浦戸湾の水質が回復してきた野に、巨額の税金で埋めて道路にする。出来ない筈ですね。普通は。完全に県も高知市も狂っているとしか思えません。
(土佐堀も埋め立てられ、観光バス駐車場を税金を費やして高知市はこしらえています。)
戸田 いわゆる都市の運営と公共交通機関とのリンク。高知市ではまるでできていないような印象があります。
電車、バス、鉄道を運営しているのは民間会社で難しいところはありますが、行政は確かに補助金を出していますので、有効な活用がのぞまれますね。お金出して終わりのようなところが見受けられますね。中途半端になり車ばかり増えるようになりますね。
西村 異なる観点から言いますと、高知駅前にあったら良い施設としては2000人収容のホールです。交通の接接点(鉄道、路面電車、バス)ですのであれば理想的ですね。全国の県庁所在地で2000人ホールと球技場で夜間照明施設がないのは高知市だけでしょう。恥ずかしいかぎりです。
交通の結節点である高知駅前。バスでも路面電車でも、JRでも来れる。ここへ集客装置であるコンサートホールがあるのは理想ですね。
(ロック音楽は動員力があります。2000人規模のホールは必要でしょう。)
戸田 公共交通機関で行くのは理想です。実例では高知市はらみにあるベイ。スクウェアというホールがあります。あそこはスタンディングで1000人程度は入れるそうです。
駐車ばがないので、電車で皆行きますね。大物アーティトの時は、土佐電鉄の桟橋線は満杯ですね。これで高知駅にホールができれば南北の核ですから街中もそうなると栄えますね。
西村 高知駅前にまだ敷地に余裕があってスーパー作るだの商業施設だとかわいわいやってはいます。以前は大学と図書館の複合施設の計画もありましたし。わけのわからん構想がありました。それなら2000人ホールが遥かに経済波及効果がありますね。
戸田 そうだと思います。
西村 観光に力を入れるのであれば、そこへ行けば高知の全てがわかる。という案内センターを駅前にこしらえるべきでしょう。
戸田 バスターミナルともからみますね。観光ガイドは必要ですね。
西村 高知駅前はへそですので、県民がわくわくするようなプランで再構築する必要性がありますね。
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コメント
ビジターさんコメントありがとうござます。
>地下街は無理としても小さくても良いから駅ビルを立てて直結すれば少しはさまになると思う。
今の駅ビルは前の駅ビルの売店が2階から1階に降りてきただけ。線路が高架になったから逆になっただけですね。
http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_4431.html
駅のプラットホームに集成材(安物の材木を接着剤で貼りあわせたもの)を使用して大屋根をこしらえ、「高知らしさ」を強調しております。設計だけで1億円であるとか。
それよりも内装や床に高知県の材木をふんだんに使うべきなのでは。
高級材といわれる檜や桐を内壁にふんだんに使う。階段部にも使う。そういう設計が何故しなかったんだろう。
見てくれも大事ですが。
ビジターさんの言われる商業集積した駅ビルは高知では無理のようですね。それはしかたがないと思いますね。
わたし個人の願望ですが2000人ホールを駅前にこしらえていただきたいとは思います。
投稿: けんちゃん | 2008.04.01 12:35
駅を改装したのに今時殆ど駅しかないのにがっかり。
地下街は無理としても小さくても良いから駅ビルを立てて直結すれば少しはさまになると思う。
今の状態では県最大の駅とは思えない。
高知から若者が出て行くのが良く分る。
投稿: ビジター | 2008.03.31 22:50
>観光の核=集客装置としてのホールを駅周辺に作るというのは一見合理的にみえても、実際問題として県外からホール目当てに公共交通機関で来て、ホールでコンサートを楽しんで、そのまま公共交通機関で帰ってしまい、高知での滞在時間はホールのみということもあり得るので功罪相半ばって感じでしょうか?
門田さんコメントありがとうございます。
目的がコンサートでしょうし、お金のない青少年であれば仕方がない部分はあります。
ただ駅前がバスターミナルや路面電車とリンクされています。貸し自転車なども整備すればコンサート前後の時間帯に高知の街を散策していただけるかもしれません。
宿泊までもっていくのには工夫がいります。「どうしても宿泊してまで高知のあそこを見たい。体験したいもの。」があればそうするでしょうし。
知恵をだすべきでしょう。そのあたりは関係者が。
投稿: けんちゃん | 2008.02.06 08:49
通勤などでは、どうしても愛宕ふみきりがネックになっていましたから
高知駅の高架は、私のように高知市北部に住む者にとっては朗報です。
ま、別に高知駅部分と円行寺ふみきりの地下を通る立体交差にするだけでも
とくに不満はなかったのですが・・・
ただ、弥衛門や比島地区の再開発の必然性は疑問ですね。
それに旧県立病院前の道路も、あそこまで広げる必要はなさそう。
新堀の暗渠や土佐橋も含め、この一連の開発は疑問だらけです。
とにかく現状では、はりまや橋起点の交通体系は高知駅を起点と
する新しい体系に刷新する必要があるし、県交通と土佐電鉄に
分かれている路線バスも、せめて高知市の運行形体の一体化が望まれます。
観光の核=集客装置としてのホールを駅周辺に作るというのは
一見合理的にみえても、実際問題として県外からホール目当てに
公共交通機関で来て、ホールでコンサートを楽しんで、そのまま
公共交通機関で帰ってしまい、高知での滞在時間はホールのみと
いうこともあり得るので功罪相半ばって感じでしょうか?
個人的には、高知へ来たらお城下を堪能して欲しい。
で、コンサートなどを楽しんだら、その晩は泊まってもらい
地元の料理で楽しむ、最低でも一泊二日は居て欲しいです。
駅周辺は役所の出先機関のようなモノを集約するのがいいのでは?
もちろん、ビジターセンターのようなモノは必要でしょうが、
ホールよりは「ひろめ市場」のようなモノがいいような気がします。
投稿: 門田幹也 | 2008.02.06 02:13