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2008.02.21

高レベル放射性廃棄物ー国は真剣だし必死

 2月20日に香川県高松市にて、資源エネルギー庁主催で「放射性廃棄物と地層処分」についての説明会が開催されました、全国キャラバンのようで1回目が東京、2回目が四国、3回目が九州の佐賀のようです。四国が2回目ということで資源エネルギー庁の力の入れようもわかります。

 講演会内容の詳細記事

 注目すべきは主催者に香川県の地元紙である四国新聞がなっていることです。不況でどこの地方新聞社も広告収入が取れず大変。恐らく資源エネルギー庁と原子力発電環境整備機構はたんまりと広告費を四国新聞社に支払ったことでしょう。

 講演会後半のパネルディスカッションのコーディーター役に四国新聞社編集局次長がなっていることからも力の入れようがわかるというものです。会場外の屋外には「展示車」もありました。
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 模型などが展示されていまして、見学者に高レベル放射性廃棄物の地層処分について、丁寧に説明を繰り返していました。たぶんこの車はかつて高知県東洋町にも出張しておったことであると思います。
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 特筆すべきは、「最終処分事業を推進するための取り組みの強化策について」と書かれた項目です。平成19年11月1日に総合資源エネルギー調査会原子力部会放射性廃棄物小委員会の中間とりまとめとなっている資料です。

 それにはこう記述されています。

*高知県東洋町を始め、最終処分案事業に関心を持つ地域は現れているが、文献調査を開始するまでには至っていない。

*これまで応募が検討された地域での経緯などを顧みると、

1)事業を自分の問題として捉えるまでの幅広い国民の理解獲得、

2)正確な情報提供による、最終処分の安全性、処分地選定予定地に対する地域住民の理解獲得、

3)国が全面にたった取り組み、

4)事業と地域との共生による地域振興の可能性の明確化等が課題。


 と総括し、行動目標を立てています。Kakutorikumi
(画像をクリックしますと拡大して文字が読みやすくなります。)


 今回の都道府県単位の説明会を以下の日程で精力的にやろうとしています。地方新聞社を巻き込み、情報戦略も立てているようです。

 平成19年度開催実績及び今年度の開催予定

第1回(東京) 1月10日(木)18:30~20:30
東京都千代田区(千代田放送会館)(開催済)

第2回(香川) 2月20日(水)13:30~15:30
香川県高松市(かがわ国際会議場)(開催済)

第3回(山形) 2月27日(水)18:30~20:30
山形県山形市(山形国際交流プラザ(山形ビッグウイング)

第4回(福島) 3月 4日(火)18:30~20:30
福島県福島市(民報ビル ロイヤルホール)

第5回(佐賀) 3月 5日(水)18:30~20:30
佐賀県佐賀市(アバンセホール)

第6回(広島) 3月 8日(土)13:30~15:30
広島県広島市(中国新聞ホール)

第7回(兵庫) 3月10日(月)18:30~20:30
兵庫県神戸市(兵庫県民会館)

第8回(大分) 3月12日(水)13:30~15:30
大分県大分市(NHK大分放送局スタジオホールキャンバス)

第9回(茨城) 3月16日(日)13:30~15:30
茨城県水戸市(茨城県総合福祉会館)

第10回(石川) 3月17日(月)13:30~15:30
石川県金沢市(北國新聞会館20階ホール)

 従来は技術的な説明と交付金の説明が主体のようでしたが、地域のNPOや賛同する市民の組織化、ワークショップでの迎合など「民意を汲み取る」手法に力を入れられるようです。
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 会場で配布されたパンフレットはいずれも綺麗な印刷物でした。内容につきましてはさほど注目されたところはありません。
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 また「未来への約束高レベル放射性廃棄物の地層処分」というDVDですが、女優の小林綾子がナビゲーターで解説するものを配布していました。このDVDにも事業説明をされた資源エネルギー庁放射性廃棄物対策室長の渡邉厚夫氏が出演されていました。

 沖縄や岩国の米軍基地問題で交付金を国がちらつかせ、住民を分裂分断し、地域を「交付金依存症」にしようとする強引な動きが最近特に目立ちます。

 NPOや市民との対話、ワークショップによる意見集約など「民意を汲み取る」ことに熱心なポーズをとられています。しかし2月20日の講演会でも質疑応答の時間はとらず一方的に事業説明を事業者側がしただけにととまりました。それを全国キャラバンをするのでしょう。
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(手法としてワークショップをいくらしたところで「民意の反映」にはなりません。)

 今回のように写真撮影も録音もさせない講演会が,本当の市民参加と言えるのでしょうか。よく私が利用する「市民参加の梯子段」で今回2月20日の講演会内容やこれから資源エネルギー庁が仕掛けようとする「市民参加ぽい」活動は、極めて下位の市民参加の段階に留まると断言できると思いました。
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 青森県六ヶ所村での原子力燃料の再生工場でのガラス固化体の製造が始まりました。どんどん高レベル放射性廃棄物が出来るので、資源エネルギー庁は真剣に必死に最終処分場をこしらえるために奔走しているようです。
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