外袋からは毒薬は浸透しない
冷凍食品を包装している外袋の品質はたいていPE(ポリエチレン)とPA(ナイロン)の張り合わせた袋になっています。汎用樹脂ですが、機密性が高く冷凍しても壊れない丈夫な樹脂で袋として加工されています。
このあたりの包装技術は大変な進歩をしていて、内部の食品が漏れ出すとか、異物が外部から袋の素材(PEとPAの張り合わせ)を通じて内部の食材に浸透するなんてことはまずありえません。
(写真がまたまたピンボケ。冷凍食品の外袋には「プラマーク」表示がされています。容器包装リサイクル法で包装資材の材料の表示が義務付けられています。)
それに食材に直接触れる袋の内面の検査も厳しい。食材を表示するために袋の印刷をしていますが、そのインクの品質はMSDSなども提示しないといけないようになっています。
アメリカで中国製の玩具から鉛の含有した塗料が見つかり問題になりました。日本ではそのような鉛入りの塗料は玩具などには禁止されています。食材を包む包装資材は更に規制がきびしいのですから。
中国当局がなにを根拠に「袋の外部から袋を通じて毒薬が浸透した」と発表したのかわかりません。現在外袋は食品加工工場以上に厳密な品質管理された工場で生産されているはずです。
「ピンホール」(針の穴のような袋に穴の開いた箇所)がないように検査も厳しくしているのでまずそれはないと思います。その外袋の包装資材が日本で製造されようが、中国で製造されようが、殆ど自動化された高性能の包装資材を生産する工場ラインで製造されているからです。
中国の公安当局の焦りが見えます。あくまで自国の生産体制の不備を認めなければ、改善の余地もないということになるからです。いくら中国製品が安価で出回っているとはいえ、毎日口にはいるもので、ロシアン・ルーレットのように「出たとこ勝負」の食材であれば、「買わないようにする」しか消費者は自己防衛できませんし。
冷静に考えたらすぐわかることを中国の公安当局はなぜ言ったのか。お笑いではすまされないと思います。
関連ブログ記事 ふざけるな中国公安当局
中国の餃子製造会社もおそらく被害者であると思います。しかし未だ真相が十分に解明されない時点で「われわれの品質管理に落ち度はない」との記者会見はいただけない。それに公安当局も、中国政府も同調している。またぞろ反日機運を盛り上げ「われわれは被害者だ」とかいつもの問題のすり替えをしている。
「安全はすべてに優先する」という理念が中国のものづくりにはないのだろうか?だとすればその製品は危険で使用に値しない。面子や被害者意識や経営よりも、消費者の安全確保という観点が中国側に欠落している。それが1番の問題であると思う。
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コメント
こんにちは。本当に最近の中国には憤りを感じますよね。でも、ここで立ち止まって冷静に考えてみると、中国の脆弱さが浮き彫りになります。中国の国民一人当たりのGDPは、どの程度かご存知でしょうか?中国は、今後20年間現在の経済成長率が続いたと仮定して、20年後にやっと日本の1/10になるに過ぎません。現在先進国同士の間では、GDPが豊かさの象徴になるのか疑問視される向きもありますが、中国のようにこれだけGDPが低いと、このような話題とは無縁です。先進国の感覚からすると国民の大部分が食うや食わずの状況にあるということです。昔から衣食足りて礼節を知るという言葉がありますが、中国にはこれが良く当てはまります。
私のブログでは、中国が反日教育をしなければいけない三つの理由を掲載してあります。是非ご覧になってください。
投稿: yutakarlson | 2008.02.29 10:14