グリコを見習ったらどうなんだ
昨年の日本社会は[食品偽装」問題で終わりました。有名どころの企業がインチキをして金儲けをする。なんと情けなく浅ましい経営者なのか。顧客のことよりも利益を優先し、株主への配慮を最優先する経営合理主義というものなのか。[格差社会」の進展とともに深い怒りを感じます。
そして今年になって発生した[毒入りギョーザ混入事件」。販売元のJTと日本生活協同組合は言い訳に終始。中国の捜査当局は確証もなしに「毒物は製造過程での混入がありえない。日中友好関係を破壊しようとするテロリストが日本で混入したのだ。」と言い出す始末。
思い出すには何年か前にあった[グリコ・森永事件」ですね。グリコは社長が誘拐されたり、お菓子に毒物が混入されたり一方的な被害者でした。1984年のことでしたか。
事件の経緯についてはWikipediaなどに詳しい解説が掲載されています。グリコの偉いのは顧客重視の安全対策を徹底して実践したことです。今となったら検索しても出てきませんが、確か物凄い安全対策をしていました。
それはグリコの主力製品のポッキーだと思いますが、その箱の1個、1個をシュリンク包装したことです。
つまりポッキーの紙箱の1つ1つを更に透明なセロファン状のフィルムで包装して店頭に出しました。
シュリンク包装はフィールムを熱をかけて引き伸ばし、紙箱に巻き付けて全体包装しています。何者かが異物をポッキーに混入しようとしても穴を開けると外のシュリンクされた透明な外袋が簡単に破れます。
注射器に毒物を入れ、ポッキーチョコレートに混入しようとしても、シュリンク包装でをしているので、それを破らない限り異物は絶対に混入できません。それはグリコにすれば大変な投資であったと聞いています。
当時そのシュリンク・フィルムをグリコに納入していたメーカーの人に聞きましたら、その数量は今では考えられない「天文学的な数字」だったとか。シュリンク包装をする機械メーカーも毎日徹夜でこしらえていたとか。
グリコは一方的な被害者でした。しかし顧客の安全を第1に考え、絶対に異物が混入しない当時最新の包装であるシュリンク包装を主力商品に行い、以後の異物混入を防ぎました。
莫大な投資をグリコは行いました。被害者でありながらその経費を賄いました。結局犯人は未だにみつからず2000年に時効に成りました。グリコが何年継続してそのシュリンク包装への莫大な投資を継続したのか忘れましたが、以後グリコ製品への異物混入はなくなりました。相当長い間していたようでした。そして消費者から絶大な支持を得ました。
今グリコの株価や業績がどうなのかは知りません。でも日本の1私企業でも社会的な責任を全うし、顧客のことをなにより最優先した会社がいたことを日本人として誇りに思います。
その教訓があるのに、雪印や不二家、白い恋人の会社や赤福など偽者表示をして目先の金儲けした浅はかな経営者が輩出したことを日本人として恥じたい。そして今回の中国製造の冷凍ギョーザ毒物混入事件。皆自分から率先して対策をしようとしない。生協のくせになにをしているのだろうか。消費生活協同組合だろうに。実に生ぬるい。本当に消費者の味方なのか?
日本と中国の関係者の浅ましい対応。真底グリコの対応を見習えば良いと思いました。
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