麦の穂をゆらす風と王の男を鑑賞
5月4日は高知県民文化ホールにて映画鑑賞。1920年代のアイルランドを舞台にした「麦の穂をゆらす風」と16世紀の韓国社会を描いた「王の男」を鑑賞しました。シネマの食堂参加上映ということです。5月3日、4日両日の上映でした。朝日新聞高知総局主催で無料でした。朝日新聞さんに感謝です。
後「選挙」という日本のドキュメンタリー映画との3本立。この映画は以前とさりゅうピクチャーズの主催で見たことがありました。日本のどぶ板選挙の有様が克明に描かれています。
「麦の穂をゆらす風」と「王の男」2本とも2時間を超える映画でしたが、重たい内容でした。12時15分~16時半過ぎまで映画を見ていました。最近の映画鑑賞は1本立ての自主上映が多い(アレクセイと泉もそうでした)ので2本立てで映画鑑賞したのはそれこそ覚えていないほど前ではないでしょうか。
「麦の穂をゆらす風」は1920年代のアイルランド。英国からの独立を志向する人たちに英国軍の弾圧は凄まじい。村を焼き払い、連行し、拷問し処刑する。裁判も何もない。軍が全てを仕切る。
英国は「民主主義の学校」と教わってきたがさにあらず。インドや南アフリカでも過酷な弾圧をしてきたことだろう。しかしアイルランド独立の炎は全土に盛り上がり、やがて英国もしぶしぶ独立を認めました。
しかしアイルランド北部は英国領として組み込まれたまま。完全独立を主張する勢力と、暫定的に英国と妥協しながらいく勢力に分裂、両派は武装抗争までひき起こします。
緊迫した議論の様子が丹念に長い時間描かれています。じっと相手の議論に耳を傾けます。決して途中で議論を遮らない。けれどきちんと議論をしても両派は相容れないまま分裂が確定的。
武装射解除する勢力と、抵抗する勢力。かつては英国軍相手に命がけで戦った盟友が敵味方になり殺し合いをします。あれほど議論をしていたなら、言論でなぜ戦わないのか。そいれほど切迫していたのでしょうか。
相手方を捕虜にしても、かつての仲間を簡単に処刑してしまう。恨みは100年お互い残る。ヨーロッパはこうした殺害の歴史、対立の歴史の上に民主主義があるのだと思いました。簡単ではないと映画で感じました。
「王の男」は16世紀の封建時代の韓国が舞台。旅芸人の主役と女形が都市へ行き、当時の王様を皮肉った大道芸を演じる。評判になるが、王宮の重臣に城に連行される。王が笑えば命は助けてやるが、笑わなければ死罪にするということが条件。
大道芸の喜劇を王宮で演じるハメに。手が最初は震えながらも、王が笑い転げて命は助かり、王宮で大道芸を見せる毎日。でもそれは王宮内の権力闘争に利用されていただけだった。
女形を演じていたイ・ジョンキは男とは思えない美しさがありました。荒唐無稽な話しではありましたが、見ていて緊迫感がある映画でした。韓国の大道芸にも見入ってしまいました。
王宮の風景は「チャングムの誓い」で「見慣れて」はいましたが、あらためて16世紀の韓国王朝は中国の影響を受けていたと思いました。
ソウルでの中国人留学生の乱暴行為でも韓国政府の態度が及腰なのは「宗主国・中国」への遠慮が見え隠れしますね。
自宅から歩いて行き、歩いて帰りました。途中はりまや橋手前のバス停留場を見ました。16億円もかけたそうです。さっぱり価値がわからない施設。連休なのに県外の観光バスが駐車は1台もありません。どうして高知市はこのような無駄遣いをするのか皆目わかりませんね。
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投稿: つき指 | 2008.05.04 22:59