高知で知的・創造的な学習・交流の場の創出を 6月27日(金)
西村 今月の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」のゲストは、高知市横山隆一記念まんが館学芸員の奥田奈々美さんです。高知のまんが文化、横山隆一記念まんが館に関する事柄、学芸員としてトライしたいことなどお話をお聞きしたいと思います。
今回のテーマは「 高知で知的・創造的な学習・交流の場の創出を」でお話をお聞きします。
9月12日が締め切りで「第4回まんがの日記念4コマまんが大賞作品募集」について
お話下さい。一般の部は年齢制限がなく、プロ・アマを問わないそうですが・・
かなりレベルの高い作品が応募してくるのではないのでしょうか?
奥田 11月3日の「まんがの日」を記念しまして「4コマまんが大賞」ということで、4コマまんがの募集をしています。今年で4回目の募集になりました。
用紙はB4、作品は横10㎝×縦32㎝、1枚につき1点、一人3点まで。カラー可。
昨年は全都道府県から応募有。プロからの応募もありました。
第1回では村岡マサヒロさん、矢野功さんが「よさこい賞」を受賞したりしました。
レベルは高いですが一般の人がプロに勝って受賞したりしています。是非トライしてください。
ジュニア部門と一般部門に別れています。小学生以下がジュニア部門です。
ジュニア部門でも力をつけて常連となっている子もいます。
応募作品は冬に「4コマまんが大賞作品展」で展示しています。
一次審査を通過した作品は展示しています。本選で入賞に漏れても、入館者の投票で決める「ギャラリー賞」の可能性もあります。優れた作品が掘り起こされる可能性もあります。いろんな楽しみ方をしていただきたいと思います。
西村 高知で「知的・創造的な学習・交流の場の創出」を目標とするのであれば、マンパワーや予算も必要であると思います。理想論でいいですがどの程度のマンパワーと予算が必要であると思いますか?おかまいない範囲で説明してください。
毎年11月に「まんさい」(こうちまんがフェスティバル)を開催しています。このイベントなどを成長させ、拡大していけば、「知的・創造的な学習・交流の場の創出」になるのではないのでしょうか?そのあたりの展望はどうなのでしょうか?
(高知まんが集団似顔絵コーナー。写真は奥田奈々美さんより提供いただきました。)
奥田 「まんさい」(こうちまんがフェスティバル)では、「まんがで遊ぼう!」(まんが体験コーナー)やまんが工房など、まんが家の先生と直接触れあったり、自分で描いたりできるイベントを開催しています。
そのほかにも記念まんが館では夏休みまんが体験イベントであるとか、似顔絵コーナーでセミプロのまんが家の人達に似顔絵を描いていただくこともしています。
そのほか、企画展に合わせて県外のまんが家の招聘、トークショーやサイン会など、プロと触れあえる企画を実施中です。プロと接する機会を活用いただきまして、どんどんとまんがを描く機会を活用していただきたいです。
理想をいえば、「まんさい」のような体験型イベントや、似顔絵コーナーのようなものが、まんが館で"いつでも"体験できたり、まんが家を目指す人たち同士の交流の場・サロンのような形で使ってもらえるようになればよいと思っています。
西村 今一度お聞きしますが高知でなぜまんが家がたくさん輩出しているのでしょうか?高知でまんがが盛んなのか?基本的な質問ですがそのあたりはどうなのでしょうか?
奥田 そうですね。いろんな考え方があると思います。高知の県民性と言いますか。高知はもともと自由民権の土地柄で、反骨精神がよくいわれます。
まんが、特に1コマまんがは風刺から始まっています。
そういうところが高知県人とまんがの表現が合致したのではないかと思います。それでまんが家となって高知を出て行ったところを後輩が追いかける。
また高知新聞のほうでまんが教室なんかの投稿コーナーがありました。高知マンガクラブの出身でプロになった方もいらっしゃいます。
またまんがで活動するなかで高校でまんが部を創設したという高知出身のプロのまんが家で「自分が高校のまんが部をつくった」という人が結構います。
そういう高校にまんが部があってまんがを描く環境が整えられていた。高校にまんが部やまんが研究会があるのはわたしも高知出身なので、あたりまえであると思っていました。
県外で聞きましたら当たり前ではないそうです。まんが部がない高校も多いようです。高知の高校でまんが部があたりまえのように存在する風土が根付いていることが今につながっていると思っています。
(高校生まんが甲子園の風景。西村撮影)
西村 92年間の横山隆一さんの生涯を追体験することこそが、「 高知で知的・創造的な学習・交流の場の創出」になるのではないかと思います。
これは横山隆一記念まんが館の最大活用になるではないかと思います。
。まんが館の一連の行事の中ではどうなのでしょうか?
奥田 隆一先生からは、まんがの技法はもちろんのこと、「人生を楽しむ」達人であったことを学んでほしいと思います。
まんがだけでなく油彩画、水墨画、アニメなど、興味を持ったものすべてに挑戦する意気込がありました。
それは珍コレクションや鉄道模型などのコレクションのほか、酒、ゴルフ、野球、カメラなど趣味も様々ありました。人生を楽しむ達人でもありました。
鎌倉の隆一邸がまんが家同士が集う場であったのは、隆一先生の人柄あってこそ。
高知でもまんが館がその遺志を受け継ぎ、隆一邸の桜の接ぎ木をしてかるぽーとで育て、4月に「花見の宴」として高知のまんが関係者たちが集う場を設けています。
「まんさい」のようなフェスティバルを企画しまして様々なイベントを楽しめるようなそういうところを。イベントの拠点となれるようなまんが館を利用していただきたいと考えています。
西村 「 高知で知的・創造的な学習・交流の場」は横山隆一記念まんが館であるということは良く理解できました。
今後の行事の予定などありましたら、ご案内をよろしくお願いします。
奥田 企画展といたしまして7月19日から8月31日まで「所蔵展」を開催いたします。第2回目になります。
「隆一はなこばこ」という企画です。「今 花・人・であい博」を高知県下で開催していますので、関連企画として隆一先生が描かれた油彩画で花をテーマにした作品を展示し来館者には楽しんでいただきます。
まんが家が描く油彩画はどこかユーモラスで、楽しい気分がさせられる。そういう作品が多いので油彩画としてもまんがとしても楽しめるのではないでしょうか。こちらは入場無料になっています。ぜひご来館ください。
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