危ない日本の橋その対策は?
6月10日NHK総合にて「橋は大丈夫か しのびよる劣化」を視聴しました。これを見ましたら日本の橋梁も絶対安心とは言えないですね。
20年前にアメリカへ観光旅行へ行ったときニューヨークのブルックリン橋は老朽化が激しく通行制限していた話を聞きました。当時州管理の道路や橋も公共予算が削られて十分に補修や維持管理ができないと。穴だらけの道路や錆だらけの橋も見ました。
日本はそんなことはないだろうと当時は思っていましたがさにあらず。維持管理のメンテナンスの時期に来ているのに維持管理の費用が行財政改革や国の地方への支出削減(骨太改革)の影響でますます維持管理費用が出なくなっています。
2007年8月のアメリカのミネアポリスでの道路橋落下事故では13人が死亡100人が負傷し、車100台が落下する大惨事でした。
調査によりますと日本の橋で5439が危ない橋であり、ただちに補修工事をしなければならないようです。しかし緊急維持工事を地方自治体がしようにも現在の会計制度の壁が立ちふさがっています。
つまり新設橋をこしらえれば、費用の半分を国が補助します。残り半分の自治体負担のうち半分は地方公共債(つまり借金)が認められています。地方自治体の自己負担は全体費用の3分の1で新設橋ならできます。
一方維持管理する橋の場合は100%地元自治体の負担で、今まではほとんど国の補助はありませんでした。今話題の道路特定財源などはどうなっているのでしょうか?
(40年以上放置されている橋もあちらこちらにあります。)
自宅の近くの国が管理している鏡川大橋は昨年耐震補強工事が完了し、今年は橋の塗り替え工事も行われます。国が管轄する橋は管理は比較的行き届いています。しかし地方自治体の管理する橋、都道府県や市町村管理の橋はそうはいきません。
財政難で橋の点検調査すら満足に行っていないのが現実です。社会資本としての公共財としての橋がこれでは国全体として地域全体として維持管理できないのです。
写真は高知県の山間部の橋ですが、ダムの保障事業の一環で国側が橋を建設し、地元自治体に譲渡したようです。でもその小さな自治体は維持管理ができず、錆びた状態の橋が放置されています。
高知県下車で巡回していますと橋もそうですし、山間部の落石防止ネットの支柱などもぼろぼろに錆びている箇所を見かけます。手入れのいいのは国管轄の国道。県道や市町村道は実に心許無いのです。
道路特定財源で地方に道路建設を。の趣旨は理解できます。しかし建設された道路も橋もやがて維持管理しなければならない時期が到来します。その維持管理費用はどうするのでしょうか?
私は防錆管理士の立場からいくつか提案をしてきました。
きちんとした防錆塗装システムを採用いただければ、「耐用年数20年」というめどがたちます。防錆塗料と技術力のある塗装業者が存在すれば、結果的に安いコストで長期防錆は可能なのです。
その事例を先日愛媛県今治市の現場で確認し確証を持ちました。
維持管理の費用は国が全面負担すべきです。「国民の命と財産を守る」ことが国の義務であると思うからです。橋の維持管理を行い、耐震補強も行う。そうしたきちんとした社会に日本社会を再構築しないといけないと思います。
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