小林多喜二「蟹工船」を読んで
「話題」の小林多喜二「蟹工船」を読みました。現代文で表記されていますが、なにかしっくりとこない文体であって(文章の巧拙と言う意味ではなく)、読み辛かったです。
工場なら労働法の縛りがあり、船舶なら船舶に関する法律の縛りがあるが、蟹工船は「海に浮かぶ工場」で両方の縛りを受けない過酷な労働現場であり、労働者は人間扱いされず、監督に日常的に罵倒され、こき使われている。
あまりの酷使に耐えかねて反乱を起こし、9人が代表になり監督に要求をつきつける。乗員300人の反乱が起きる。ささやかな待遇改善運動であった。代表は監督のピストルを取り上げ、要求をつきつける。
やがて連絡を受けた帝国海軍の駆逐艦がやってくる。万歳を叫ぶ船員達。しかし銃剣をつけ、完全装備の海軍兵士は9人の争議指導者を艦艇に連行。反乱はおさまる。残された船員達は「帝国海軍は金持ちの味方だったんだ。」と後悔する。
「今度はだれが指導者ということなしに、300人全員が反乱をおこさんと。そうすれば奴らは俺達全員検挙しないと。そうなれば蟹工船は操業できなるなるから。」と。
中学時代に郡の読者感想文コンクールで特選をいただいた記憶があります。中学生でこの文体が当時理解できたのでしょうか?「革命」の雰囲気に酔っただけだったのでしょうか?
もう1度読み返しましたが、自分のなかに「記憶の痕跡」「感動のしるし」が見つかりませんでした。
若い人が読むには少々辛い感じがします。時代背景もわからないし。また作者の小林多喜二も検閲も意識して書いているところもあるようですし。アニメ化するなりすれば良いのかもしれませんね。
共産党が「推薦図書」になっているようなら、アニメや映画にすべきでしょう。DVDにして配布するなり動画配信すれば低迷する共産党の浮上に少しは貢献するやもしれません。
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