高知城ー板垣退助退助銅像前での自民党総裁選
午後4時から高知市の高知城追手門を抜けた広場にて、自民党総裁選挙に立候補している5人の候補者が揃って登場するとあって、いつもは閑散としている広場は立錐もないほど人がいました。
前座として高知県選出自民党国会議員の山本有二氏、中谷元氏、福井照氏、西本和子氏が演説している最中に見に行きました。私が来るころから、見る見るうちに人が増えました。
注目度が高いようでマスコミ各社も脚立を持ち込み、テレビカメラもすえつけらています。ものめずらしいことなのか、普段この種の自民党の集会では見ることのない高校生たちや若者たちもいました。私のような中高年や高齢者たちも大勢詰め掛けていました。
(ステージとPAを構え集客を当て込んだ演出を自民党はしていました。果たして「役者」が面白いのだろうか。)
5人の候補者はサッカーの国際試合で使われる音楽に乗り、子供と手をつないで登場。いかにも自民党官僚らしいおっさんがなにやら総裁選挙の説明をしていました。
「昼は大阪なんばでの演説会、そして高知へ。全国17箇所で立会い演説会をします。」とのこと。
「行政改革大臣で地方を回ると、コストカッターのように忌み嫌われました。しかし贅肉を落とすと動きが軽くなります。以前私は80キロ体重がありました。今は69キロです。無駄を省いて行政改革をして、本当に必要な福祉や介護の分野に投資しないといけない。」とのこと。女子高校生にはこの人が1番人気。皆携帯で写真を撮影。
「政策を戦わせて活発な議論をしている政党は自民党。民主党は党首選挙に出ようとした人を押さえ込みました。小泉総理は自民党をぶっ壊しました。わたしは霞ヶ関の官僚政治をぶっ壊します。」ほか何たら言っていましたが、弁説爽やかですが何故か印象に残らない。
「世の中の激動期には高知から政治家が出てきます。幕末維新期には坂本竜馬や板垣退助。産業家の岩崎弥太郎も高知。戦後であれば祖父の吉田茂。
わたしは筑豊炭鉱の街飯塚市が地盤。炭鉱が閉山され2800人の従業員の生活が私の責任になりました。懸命に努力して新しい分野の企業を誘致し、育てた、今や飯塚市は65社のベンチャー企業があります。
高知だって世界企業があります。サイレント(消音)パイラーの技研製作所。世界のシェアは90%。電池の中のセパレーターは紙。その紙を製造しているのはニッポン高度紙で、ここも世界の7割を抑えている。高知の人は誇りに思ってほしい。
福祉も介護も経済が豊かでないとできません。わたしは3年で経済を再生して見せます。」とのこと。軽いのりで地元ネタもおりまぜ、経済再生の「プロ」であることをちゃっかりPRしていました。やはりこの人が次期総裁の大本命でしょう。聞いてもそう思いました。
「テレビでは恐そうだと言われます。わたしは人口60万の鳥取出身。過疎高齢化の現実は体でわかっています。地方の声を国政に届けたい思いは人1倍あります。
でも私は日本は国防や安全保障に関心を持たないといけません。1991年の湾岸戦争のとき日本は1兆円クエートに資金支援しました。しかし感謝の言葉がありませんでした。
今イラクやインド洋からも日本は撤退しようとしている。こんなことで責任を取ることを再び放棄していることに私は危機感を持っている。」国防と安全保障のエキスパート。田舎の苦労も理解できることを懸命にPRしていました。大田総理での印象より街頭では力強い。
「いくら奇麗事をいっても実行できないことを政治家は言うべきではない。自民党は責任政党です。行政改革で無駄を廃して、同時に国民の皆様にも「割り勘」でご負担していただきます。
2年続けて自民党の総裁が1年で辞めてしまったことはまことに申し訳ない。日本は潜在力があります。きちんとした政治主導で財政秩序を確立すれば、日本は再建されます。」この人の言い分が5人の候補者ではしっかりしているように聞こえました。政治家というよりは財政・経済学の大学教授の講義を聞いているようでした。
集会は約1時間。聴衆は皆スタンディングで聞いていました。半分ぐらいは私のような物珍しさの野次馬か。直接次期日本国首相を観察するのは悪くはないと思いますね。
演説会終了後は、5人の候補がフェンスのなかで聴衆と握手しながら退場していました。こちらもなかなかの人気でした。
今月「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」に出演いただいている福井照さんに会いました。支援者の人とツーショット写真です。
板垣退助像と高知城。きっとだれかが演出を考えたことでしょう。
ちなみに高知県の自民党国会議員は麻生氏支持が、山本氏、福井氏、西本氏。与謝野氏支持が中谷氏ということです。自民党県連の票のうち2票は麻生氏、1票は与謝野しか。どちらにしても麻生氏圧勝の勢いでしょう。
全体の感想ですがやはり皆さんプロの政治家。スピーチは上手いし、聞かせますね。ただもう少し、具体論や行動計画の提案がほしかったですね。
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