社会性を持った議論をしよう
今日は午前中は仕事。午後から自転車で街へ繰り出しました。久しぶりに書店に入り書籍を購入しました。
「ブログ論壇の誕生」(佐々木俊尚・著 文春新書)でした。表題に引かれて購入しました。ついにブログも「論壇」になったか。と思い購入したのですが・・
内容は「ブログ論壇はマスコミを揺さぶる」「ブログ論壇は政治を動かす」「ブログ論壇は格差社会に苦悩する」「ブログ論壇はどこへ向かうのか」であります。
日本のブログの現状は、アメリカや韓国のように政治を動かすようにはなってはいない。ほとんどが身の回りの「個人ブログ」であり、多くの「ブログランキング」という意味不明なランク付けで上位にあるブログは「食べ物ブログ」「居酒屋ブログ」の類が多い。
あいかわらずタレントブログも多いし、最近は「迷惑ブログ」の多いこと。クリックさせるだけの宣伝ブログである。これなど迷惑そのもの。
匿名掲示板でもそうですが、議論にならないことが多い。罵倒と誹謗中傷で「炎上」という事態も起こるようです。
結局自分の仲間内から出なくて、異質の人たちを排除する考えが言葉になっているようですね。これはなにもネットの社会だけでなく、多くの日本の社会集団がそうなっているから。日本人は「縦割り社会」「同質系サークル」が好きなんです。
商売人は商売人だけ。労組は労組だけ。政党筋は同じ政党筋だけ。同じ仲間と同じ趣味で、だべって行動する。楽だし気持ちが良いからです。コミュニケーション手段がブログでもSNSでも同じですね。
よく言われるように日本は学校社会で「ディベート」の習慣がないし、社会的訓練がなされていないからであるとも言われていますね。ですので「しょうもない」自己啓発セミナーが流行していますね。実におかしな現象です。
この本の著者もそのあたりは指摘はしています。でもどうしたら米国のようにブロガーが大統領選挙にも関与するだけの力を日本でも持てるのか。までの言及は残念ながらありませんでした。
異質の存在や意見を受け入れ、自己主張をできるようなブログでの交流が広がれば、ブログによる世論が社会に初めて影響が与えられると思います。日本はまだまだであると
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コメント
BIN★さんコメントありがとうございます。
私は2004年からブログを始めました。2005年には「ブログ中高年の星」「ブログの鬼」などと田舎では呼ばれていました。
それだけに期待して読みましたが、読後はなんだかがっかりでした。それは著者自身が限られたブログを見て評論しているだけ。つまり社会性がないのです。
現実の市民運動や、実践とリンクしておればもう少し前向きな著作になったと思いました。
投稿: けんちゃん | 2008.09.24 06:15
このテーマいいですね。
狭い仲間内のやりとりだけに終わる小さな島の集まりのようなブログ世界、違う意見があると炎上するブログ世界、それは、日本社会の反映でもあるわけですね。
関心を広げること、いろんな意見に寛容になること、そもそも違う意見についても尊重すること、などブログ世界だけで解決できないにしても、この新しいメディアがよい方向に向かう手段になるといいと願っています。
いい記事ありがとうございます。
投稿: BIN★ | 2008.09.23 21:35