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2008.11.09

先進国神奈川から過疎地高知への移住の理由は? 11月14日(金)

西村 今月の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」のゲストは、こうち暮らしの学校の店長をされている宇田川知人さんです。
 宇田川さんは神奈川県のご出身。こうち暮らしの学校の校長である松田高政さんは大学の後輩であるそうです。

「日本1豊かな神奈川県」から、数字の上では「日本1貧しい高知県」への移住。高知の何が宇田川さんを動かしたのでしょうか?今日はそのあたりをお聞きしたいと思います。

 神奈川県は私も学生時代と社会人新人時代に、合わせて6年住んだことがあります。また子供が神奈川の大学へ進学したこともあり、10年ぐらい関わりがありました。個人的には第2の故郷という感覚があります。
 東京に近く、大企業もあり、経済的には豊かな地域。横浜や鎌倉は歴史もあり、高知とは規模が違います。

 高知はどういうところで宇田川さんにとって魅力であったのでしょうか?

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宇田川 なかなか答えにくいところはあります。もちろん出身の神奈川県を愛しております。さきほど話がありましたが、こうち暮らしの学校の校長をしている松田高政君が大学の後輩であり、大学時代に仲良くなって、松田君が卒業して高知へ帰るということになりました。

 高知どころか四国へも行ったことがなかったので、1度高知へ行って見ようか。一緒に来ました。私も松田君もお酒が好きですので、まず最初はお酒から入っていきました。高知のおいしいお酒とおいしい魚を食べて、そこで高知が気に入りました。

 それ以来年に4~5回高知へ遊びに来るようになりました。そのたびにいろんなおいしいものを食べてお酒を飲んでいました。その当時は松田君は地域づくりのコンサルタント会社に勤務されていました。仕事でいろんな地域との関わりを持っておられました。
 
 一緒に高知県下の市町村を案内してくれたこともありました。わたしは食べ物にものすごく執着のある男なので、その地域へ行くたびになにか良いものがあれば買い入れたりしていました。それで家に帰れば食べてということをしていました。

 ずっとそれをくりかえしていました。高知のいろんな地域にいろんなものがある。こだわってつくられているものがある。それがひじょうに多いなということに興味を持ちました。

 まず高知に興味をもった理由です。話は違いますが、日本全体を見たときに、首都圏への一極集中というのに疑問を感じていました。都会に住んでいながらそう考える人はなかなかいないと思います。

 なにか東京になんでもかんでも集中しすぎていて、他の地域が弱くなっている。一極集中に問題があるんだろう。そう思いました。

 高度成長時代は1極集中でよかったと思います。でもやはり経済が成熟してきたら、地域・地域で拠点となるところがあって国家があるべきではないのか。そのほうが経済がまわったほうが国全体としていいのではないか。そういうように壮大なことを考えるようになりました。

 そういうことで松田君とのつながりや自分のやりたいことなので、高知でやろうということで一緒に会社をつくりました。
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西村 神奈川は三浦大根や、三崎のまぐろ。小田原のかまぼこなど海山のものも豊富です。みかんどころの静岡も隣ですし。お菓子も鎌倉や横浜にはたくさんあり、神奈川で世話になった人に高知のお土産を持参するのに悩みました。

 宇田川さんであれば、神奈川の人には高知のお土産はなにをお薦めするのでしょうか?

宇田川 やはりべたですけれども鰹は外せませんね。高知の鰹が1番美味しいとは思いますね。ですので鰹は外せませんね。

 それからフルーツ、かんきつ類もいいですね。ちょっと時期は遅くなりましたが、新高梨なんかもいいです。今でこそ新高梨もいろんな地域でこしらえていましが、高知産のほうが大きくて美味しいです。

 ですからわたしはそういう高知のものを神奈川へお土産に持って帰ります。
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西村 フルーツものと言えば、フルーツ・トマトなんていうのもありますね。

宇田川 そうですね。フルーツ・トマトも今はいろんなところで栽培されています。でも徳谷については別格であると思います。あれは全く他の地域のものとは違います。

西村 それなりの競争力というか,指名買いをされるだけの力が高知の産物のはいくつかあるのでしょうか?

宇田川 はい。そう思います。あとは売り方が悪かったり、まだ埋もれている産物も高知にはあると思います。

西村 神奈川は経済的にも豊であり、自然にもそこそこ恵まれています。消費者の水準も高いと思われます。今後の展開で神奈川へ高知の産物を販売していく計画もあるのでしょうか?
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宇田川  実は神奈川といわず首都圏に対して高知の産物を販売していく思いは持っています。そのためにも高知県内。高知市の人にいろんな高知の地域の産物を、ものの豊かさというものを知っていただくことです。

 ゆくゆくは関東に向けた展開ー開拓をしていきたいと思っています。


西村 高知と神奈川のつながりはあるのでしょうか?昔は高知の漁師が横須賀に移り住んだりしていましたし。今は縁が薄いようにも思います。宇田川さんが「架け橋」になられたら高知の大きなポイントになると思いますが・・。
 将来計画も含めておかまいない範囲でお話を聞かせてください。

宇田川 私個人のちからはたかが知れています。あまり大げさなことは言えません。やはりまずそういう意味では地場産品の販売の仕事をしています。まずは「もの」を通したつながりを考えています。

 それは先ほど言いましたように高知の産物を神奈川県を含めた関東に出すことももちろんですけれども。逆に関東にある高知にないようなものを高知へもってきて販売するのもあるんではないかと。

 いろんな形でものを通じて「高知の豊かさ」を感じていただく。それを微力ながらやっていきたいと思います。

 また最終的には、人の交流などで貢献出来ればなあとも思います。これはまだまだ「壮大」すぎますので構想の範囲はでていません。
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西村 将来神奈川から高知へ、安心・安全な農産物と食材をより安定供給するために投資を引きこむことは可能でしょうか?そのあたりはいかがなものでしょうか?

宇田川 そうですねなかなか難しいとはおもいますね。
 やはり投資を引き込むためには、投資をする側にリターンがないとしません。やはりしっかり見せられる販売方法とか、ビジネスモデルなんかを確立するのが大事なことではないでしょうか?

 高知へ来て思うことがあります。ちょっと地域のパワーがなくなっているのかもしれません。行政だのみになっていないかと言うことです。
 そういう印象を受けることがあります。わたしは自分が事業を起こした人間としては民間の力でそういうものを造って投資を引き込む。そのためにも関東進出の足がかりをつくってビジネスモデルを構築すれば十分にか可能であると思います。

 将来的はあんれるようにしたいですね。

西村 ビジネスモデルは、前にも言いましたが「安心・安全」でしょう。何が本物で、なにが偽者か。特に食の問題ではたくさんありました。毒物入りのお米の問題。毒入りの中国製ギョーザ。
 みんなは食に関して安いものを買えば、そういう目にあってしまいます。では高いものを求めたらどうだったか。高級料亭吉兆のような「料理の使いまわし」もありましたし。

 非常に不信感がありますね。赤福の問題もありましたし。そこへの安心感を提供できるようなしくみ。農産物であるとか。できないものでしょうか?

宇田川 そうですね。私達が今お店でやっているいことがそのことを実践しているところです。
 首都圏のほうが、そういう「安心・安全」に関する考え方を強いと思います。やはり手に入りにくいですから。首都圏のほうがですね。そうなると今度は他県の農業生産県との競争になると思います。

 「安全・安心」+「競争力」をどこにおくか。そこが進出していくポイントであると思います。
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