本当の悪者は宮内義彦氏
今日高知で発売された週刊現代2月21日号の32ページから35ページにかけて、森功氏(ノンフェクション作家)のレポート記事が掲載されています。題名は「規制緩和の政商 オリックス 宮内義彦の真実」です。
最近になり「かんぽの宿」をオリックスが不当に安値で一括購入する話が国会でも取り上げられ、結局中止になりました。週刊現代は問題はそれだけではなく、規制緩和でオリックスが国民を犠牲にし、肥え太ってきた現実を冷静にレポートしています。
宮内義彦氏は10年以上政府の規制緩和審議会の中心にいました。結果規制緩和された業種、金融、労働者派遣、タクシー、不動産事業、医療、介護などの事業にも進出し、結果的に巨大な収益をオリックスはあげています。
村上ファンドもホリエモンも宮内義彦氏からすれば「小僧」の使い走りに過ぎない。大昔明治の初期に岩崎弥太郎が土佐藩の船をただで取得、西南戦争や台湾出兵で大儲けして、三菱財閥の基礎をつくりました。かれは政商と言われていますが、国民を格差社会のどん底に落とした小泉政権の構造改革で1番儲けたのは、オリックスだったのです。まさに宮内義彦氏は現在の「政商」ではありませんか。
高知も無縁ではありません。鳴り物入りでPFI(企業の力で自治体医療を行う)方式で発足した高知医療センター。開局時責任者を務めた前病院長とオリックスの関係者2人が贈収賄事件で逮捕されました。不透明な運営の実態はこれから解明されるでしょう。
記事の中で「オリックスは病院に使う材料費(薬・ガーゼなど)を30年間で23・4%に削減するとおきながらいまだに30%ちかい。あれは目標だというばかり。赤字なので材料費とオリックスの運営会社の経営委託料を年間6億円(今年は7・6億の赤字)削減するよういに要請しましたが、これもきっぱり断ってきました。
どんなに病院が赤字でもオリックスだけは儲かるのです。」(岡田泰司高知市議・共産党・談)P36
この問題の解明は市民レベルでは難しい。地元の市民オンブズマンと当時の県職労委員長との対談でも情報開示の困難と、「赤字は自治体。地益はオリックス」という構図がおかしいと指摘していました。
参考項目「高知医療センターの問題について」
「貯蓄は悪。投資は善」と強弁していた金融緩和論者の妄言。
「(郵便局)のお金がもっと資本市場へ流れるようになったら、(日本の)金融ぎ術も構築できると思います。これは富の生産としてこのうえもなく重要なことです。」(P33 2002年刊 田原総一郎との共著「勝つ経済」)
郵政民営化が「誰のために」行われたのか。「規制緩和」が誰のために行われたのか。誰が利益を得たのか。このあたりを追求していくと答えがでてくるように思います。
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