「夜と女と毛沢東」を読んで
最近やたらテレビへ出てくる辺見庸氏。吉本隆明氏との対談集「夜と女と毛沢東」という本が書棚から「発見」されました。1997年の初版で文芸春秋社刊。値段は1400円もしました。当時購入していたのですが読んだ記憶がございません。
帯には「オウム事件から、戦争、性、臨死体験、資本主義まで・・・取り扱い注意!この対談は危険です。 現状に苛烈な異議を中立てる、率直無比な豪腕対談」とありました。
裏帯にはこう書いてありました。
「辺見さんの自由の概念がひろびろとしていて、どんな主題をもち出しても待ったをかけられる制約を感じたことはなかった。とても良い印象の対談で、おいしい料理をたくさん食べた気がしている。」(吉本隆明)
「吉本さんはこのまま消尽してしまうのではないかとおもわれるほど熱して弁じ、ときに長く沈黙した。樹皮に耳をあて,樹芯のようすを窺うようにしてわたしは話を聴いた。耳を澄ますと、この大樹のなかではごうごうと凄まじい風が吹いているのだった。幻聴ではない」(辺見庸)
私がかぶれていた毛沢東について言いたい放題を言っているので、高価な本ですが購入したのではないのでしょうか。吉本隆明氏にも関心がありましたし・・。
「たとえば毛沢東はいつも寝ころがって、孤独に本ばかり読んでいて、それで何か大切なことを思いつくと、のそのそと起きだして、皆の中で演説する。日常生活についてはまるきり怠け者で、勝手放題。共産党幹部がある政策を決めていても、それで終わりかというとそうじゃなくて。かれが二言三言言うとガラガラと変わってしまう。
つまり毛沢東は中国共産党の上に君臨する皇帝なんですね。僕はその皇帝生活がとても興味深かった。」(P15 毛沢東)
もう12年前の本ですが、「陳腐化」していませんね。面白い。特に若い頃毛沢東思想に愚かにも私は傾倒していましたから。やはりな。という感じで今は気軽に読めました。
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