不況でも生産を抑えてはいけない
時代背景も、経済の構造も違う時代であるので、一概に全面支持とはいきませんが、松下幸之助著「松下幸之助の哲学」(PHP)に含蓄があります。
不況になると企業は減産し、価格調整します。また政府も「不況だから仕方がない」とい放任します。松下幸之助氏はそれは間違いであると言います。
一時期日本ではセメントの生産が過剰気味になり、売れないのでメーカーは生産調整して5割以上減産したそうです。これは間違っていると言い放ちます。
「当時わが国の道路はまだまだ改修できていませんでした。道路の改修は産業振興の根幹となるものであり、また非常な大事業でした。
セメントも余り、失業者の多いときこそ、失業対策の意味からも第一に事業を決行するのは政治の常道というものです。」
「せっかくつくり出すことのできる富をつくらずに抑えてしまうむということは、富を生かさず、物を生かさずまことに繁栄、平和、幸福にそむいた措置であると言わなければなりません。」
「当時、もしその余ったセメントを国家が安く買い上げて、道路の舗装に使用していましたならば、(中略)わが国の道路も、もっと完全な優秀なものになって、産業の進歩発展に大きな力になっていたと思うのであります。
失業者を救済するのに大いに役立ったことでしょう。」(P237)
「これはまったく当時の為政者の経済観に大きな誤りがあったからだと思うのであります。
不景気は資本主義の病気だから避けることはできないという認識の下に、すべての経済現象を見るのですから、操業短縮に対してはやむをえないこととして、個々の企業のやるがまにまかせ,大きな観点にたって見る努力がなかったように思うのです。」(P238)
「このような経済観で、どうして繁栄が生まれてくるののでしょうか。不景気などというものは、その方策によろしくを得れば、本来ありうるはずはないと思うのであります。」(P239)
高知県など山間部の多い地域は未だに生活道路が整備されていません。またブロードバンドの普及では光回線が来ているのは高知市周辺部のみ。まだまだ地域間格差、情報格差があります。それを埋めるのは「政治の力」ですが、政界は混乱しているので、どうでしょうか?あてには当分ならないようですね。
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