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2009.04.23

「自己責任社会」のまやかし

 小泉内閣全盛期に「自己責任」という言葉が流行した。当時イラクにボランティア活動していた日本人が現地武装勢力に拘束された時は、政治屋も追随するし「談合マスコミ」各社も声高に「自己責任論」を吹聴した。被害者の人たちは大いに精神的に苦痛を強いられました。

 被害者でとんでもない目に逢っているのに「政府の渡航自粛勧告を無視してイラクへ行った非国民だ。被害に逢うのは自己責任だ。」とか言われました。節度のない無責任な中傷がネットにも溢れておりました。

 果てはワーキング・プアも自己責任。派遣労働者で解雇されるのも自己責任。福祉や生活保護のセーフティネットを手厚くすると「怠け者が増えるから」しない。ああいう生活をしている人は自己責任でそうなったんだ。あんな働かない人のために自分が稼いで収めている税金を使用しないで欲しい。とか言うのが一時流行しておりました。最近では麻生首相も似たような発言をしていました。身勝手な人たちの言い分を聞くだけで嫌になりますね。

 「仕事の出来る」と自称する人たちは多くは金融業界にいましたね。いまどちらにおられるのでしょうか?消えてしまいました。

 先日遅ればせながら、「シッコ」という映画(オリバー・ストーン監督)を見ました。
 アメリカでは無保険者が5000万人いるといいます。当然無保険での治療費は法外。満足な治療が受けられず亡くなる人も多数であるとか。

 アメリカの保険加入者も全然安心できないようです。
 ある事例で日曜大工で指を切断した男性は、中指の接合なら6万ドル。人差し指は1・5万ドルと請求されたそうです。中指は諦めたそうです。

 保険会社はなるべく保険料を支払わないように動き、保険を支払わない診断をした医師は高額報酬が貰えるようです。」なんだかいびつな制度です。

 映画では隣国のカナダを訪ねます。そこは国民皆保険の国。治療費は殆ど無料。国境を越えアメリカから治療に来る人が多いとか。英国やフランスもレポートしていましたが、殆ど医療での自己負担はない。

 後半アメリカで治療を見放された人たちを監督はキューバへ連れていきます。敵性国であるのに人々はフレンドリー。医療機関は親切で高度医療も受けられ、処方箋も滞在期間中に受けられたようでした。アメリカの医療保険の酷さがわかります。

 日本はそのアメリカの医療制度を真似ようとしていました。小泉内閣は「社会保障費を毎年2000億円減らす骨太政策だ。」とかわけのわからないことを言い、医療制度改悪をして自己負担額を増やしました。後期高齢者医療制度もそうです。

 アメリカ・モデルがいかに「いかさま」であり格差社会を拡大したのかを象徴する映画でした。「自己責任」という言葉は「なにも政府はしない」「政府は大企業の経営者のためだけにある。」「国民は政府頼らず自己責任で生き抜いて欲しい」とかいう身勝手きわまりない無責任社会を拡大し、日本をめちゃくちゃにしたことを象徴する単語です。

 構造改革なるものを一掃しないといけません。小泉の残党を洗い出し全員選挙で落選させないといけないですね。

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