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2009.07.06

国家の品格を読んで

Koxtukanohinkakuhon
 近くの図書館で「国家の品格」(藤原正彦・著・新潮社・2005年)を借りてきて読みました。2005年と言えば小泉純一郎自民党内閣が8月の「郵政選挙」で大勝し、国会の「3分の2」条項を屈指し、日本社会を「アメリカ従属」の「拝金主義」の「格差社会」に構造改革が猛然となされていた時期でありました。

 著者は、拝金主義、新自由主義の政策により、日本人の長所である「奥ゆかしさ」「情緒」「道徳」が捨てされれ、社会が荒廃するだろうと指摘していました。まさにそのとうりの社会になっています。

 「日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化と言う名のアメリカ化に躍らせてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。
 「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりは国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。」
 
 とくに第3章の「自由・平等。民主主義を問う」という箇所の記述はユニークだ。
「民主主義はすばらしいのか?」「国民が戦争をのぞむ」「民主国家がヒットラーを生んだ」「日本も民主国家だった」(1937年までは)「マスコミが第1権力に」「国策捜査」「国民は永遠に成熟しない」「真のエリートが必要」「官僚は真のエリートにあらず」「エリートを養成している欧米」「平等もフィクション」「論理だけではもたない」「自由と平等は両立しない」と見出しだけ並べても一理はありますね。

 題名からしてファシストの著作かと思いましたが、当時から市場原理主義、新自由主義を批判しておりました。対極にある日本人の感性や情緒、そして「武士道」は世界に通じる思想であると著者はいいます。

 確かに「論理」だけで相手を総括して影響力を失った日本の社会運動。考えさせられました。ブック・オフでも400円で売られていますので購入して読むことをお薦めします。

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