有機農業と食の未来
(なずな農園のニンジン)
25年来週に1度有機の無農薬野菜をいただいている井上正雄さんからの推薦もあり、「有機農業と食の未来」という講演会を聞きに行きました。今日は悪天候であり、寝過ごしたこともあり、運動をかねて自宅から約1時間徒歩で会場のこうち男女共同参画センター・ソーレへ行きました。
NPO土のいのちの理事長の井上正雄理事長挨拶されました。「生産者として30年間有機無農薬野菜を作りつづています。今日はより関係者に啓発する意味で大分県から赤峰勝人さんをお呼びしました。」会場は200人が熱心に参加していました。
続いて赤峰勝人さんの講演が早速はじまりました。日本全国講演に行かれるらしく、徳島と和歌山だけに行っていない。高知は3回目であるとか。
「地元の農業高校を卒業し、農薬と化学肥料を使用し、収穫も多く面白かった。しかし5年経過して収穫も落ち、同時に体調も悪くなりました。」
「農業に行き詰ったときに有吉佐和子の「複合汚染」を読みました。化学肥料と農薬を辞めて土作りからはじめ、試行錯誤しながら有機無農薬を11年かかって確立していきました。それは「草(雑草)を大切にすること。」「菌の大切さ」「虫が命の恩人(害虫は益虫)」
12年目に化学肥料を使用せず、美味しいにんじんができたそうです。しかし農協と金融機関の借金が多額にあり、収穫の不安定な有機無農薬の野菜づくりは大変でした。」
(赤峰さんとことの畑の様子)
「その頃アトピーの24歳の歯科衛生士の女性が畑へやってこられました。話を聞くとありとあらゆる治療をしたが治らないと言われました。そう必死の思いで言われても医師でもないし何もでみません。
食事で直しなさいと言いました。玄米中心の食事と有機無農薬野菜を食べる。そしたら3ヶ月で治ったとのことでした。」
(赤峰さんとことの稲。収穫直前まで水抜きをしないとか。)
「私はなにも宣伝しませんでしたが、全国からアトピーに悩んでいる人たちが来る様になりました。口コミの力です。それで食事指導をしました。今は個別な指導は出来ないので、1週間泊り込みで食事療法する施設をこしらえてやっています。」
そうしてわたしも実践してきましたが、なかなか有機農業は広まりません。最近「ニンジンの奇跡」(赤峰勝人・著・講談社)を出版しました。そこにわたしの今までの実践を書かせていただいたいます。」一読しましたが、講演を聴いた後ですとまとめられていまして、わかりやうかったです。
「よく中国の野菜が悪いとか言われますが、日本は化学肥料を年間300万トン。農薬を30万トンも使用しているのです。消費者の意識を変えないと有機農業は発展しません。」
「79(雑草):21(窒素)の比率で堆肥をこしらえると良いです。その堆肥を使用するとスイカは接木をしないので、皮も種も全部食べられます腎臓障害で悩まれている人に聞きます。トマトは昔の青臭い味のトマトです。」
「雑草や害虫を目の仇に農業者はしがちです。それは違います。雑草はミネラルをつくります。それを引いて干せば堆肥になります。虫は亜硝酸窒素を含んで苦い野菜を食べてくれます。悪者ではありません。」
「うちへ弟子入りしたくる若者たちに言います。玄米中心の自給自足の生活をしろと。お金はそれほdいらない。安全なものを人様に届けようというきもちにならないと成功はしないから。」と述べられました。
続いて2部はパネルディスカッションに。生産農家の井上正雄さん(南国)、藤本さん(大豊町)、谷川さん(梼原で10年目の農業者)の事例発表と赤峰さんを交えパネルをしました。今回の主催者のNPO土といのちの責任者も議論に加わりました。
(井上さんの水田には今年は、豊年えびとかぶとえびが多く発生したとか。無農薬の水田でないと発生しません。)
これだけ苦労しているのに有機農業が「広がらない」「伸びない」のは理由がある。それを明らかにし、食料自給率を上げ、安全な食べ物を食べる日本社会にしないといけないということでした。
(大豊で放し飼いにされて飼われている鶏。)
(梼原で10年目の無農薬農業をされている人の畑の様子)
午後1時から午後5時近くまで長時間の講演とパネルでしたが、なかなか聞き応えのありました。
会場の後ろでは有機無農薬で栽培された野菜の展示がされていました。
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