« ゴルフと7人ラグビーが五輪種目 | トップページ | 格差社会を是正しよう! »

2009.08.16

NHK番組「核廃絶は可能か?」を見て

 昨日の8月15日にNHK総合で「日本のこれから 核廃絶は可能か?」{午後7時半~午後10時43分迄。途中15分の中断含む)という討論番組を見ていました。

 テーマを「北朝鮮の核開発問題」「非核3原則の問題」「核のない世界は可能か」「核は抑止力になるのか」「今後のあるべき方向は」とかの重たいテーマでスタジオに30人の全国から来られた視聴者の代表と星野知子氏{女優)や志方俊之氏{防衛問題評論家)ら6人の有識者を交え議論をしておりました。

 聞いていてやはり予想どうり、「対話による核兵器の廃棄を進める」派と、「核武装して初めて核保有国との対話が可能」派との対立がベースにあり、議論は最後まで平行線でした。

 北朝鮮との「核問題」は、それを「脅威と思う」派と「思わない」派の議論は最初からかみ合わない。番組では日本の300分の1程度のGDPの北朝鮮がなぜ国力の多くを費やして核武装し、弾道ミサイルを開発するのか。それはアメリカとの対等な外交交渉をしたいからだ。とのことでしたが、実際にはどうだったのか。

 その北朝鮮の外交姿勢についての冷静な議論はありませんでした。ようするに北朝鮮に関する情報があまりに日本人各位はもっていない。「不条理な金王朝の独裁国家」としてのステレオ情報で「わかったつもり」「北朝鮮を理解したつもり」になっているが、実はそうではないのではないか。という観点が番組になかったのがとても残念でした。

 実際現在の日本と北朝鮮との外交はどうなっているのかの検証も必要であり、いきなり「北朝鮮の核の脅威にどう対処するのか」という設問は愚問であると思います。北朝鮮は外交の手段として、核開発と弾道ミサイルを最大活用しています。日本はその2つを所有なしでどう対処できるのか。それは可能なのかの議論をもっとすべきでした。

 途中インドとパキスタンの問題が出てきて問題の整理がつかなくなりました。カシミール地域の帰属問題でインドとパキスタンは何度も武力衝突しています。1998年に両国は同時に核開発と弾道ミサイルを開発しました。国際的には核拡散防止条約に違反する行為を両国はとりました。

 両国の核開発により、「結果として抑止力」になり、両国は話し合いの交渉のテーブルに着いた。という主張がされました。インドとパキスタン両国の在日滞在者のパネラーもそう発言していました。それ本当なのか?本当に両国の核開発が戦争の「抑止」になったのか?議論がわかれるところです。

 討論会の後半の部分で、日本の進路を問う設問がありました。核廃絶を対話で訴え続けるのか。アメリカの「核の傘」を活用するのか。日本独自に核武装するべきなのか。この議論を聞いていて、「共通のプラットフォームがないので」感情的な議論になり、聞いていて眠くなりました。不覚にも少し眠ってしまいましたし。

 特に「日本は核武装すべし」論者は、インドとパキスタンの両者が核開発したことで、「結果として」紛争が抑止された。核をもつことで抑止が働いた事例であると言います。1980年代の欧州でも似たような事例があり、ソ連が中距離ミサイルを配置したのに対し、西ドイツは対抗するためにアメリカの中距離ミサイル配備を訴え、アメリカ製核兵器の「レンタル」をしてもらって、アメリカの指導で訓練もしてソ連に対抗した。結果それが「抑止力」になった。と。
 
 この問題は冷静な「検証」が必要であると思います。それなしにいきなり「核武装で抑止」とかいう議論は飛躍しすぎです。

 番組の感想。

 やはり難しい問題。国のあり方を問う問題であります。議論が拡散することを恐れず、終戦記念日に3時間討論番組製作したNHKを評価したいと思います。

 8月9日に日本テレビ系の番組「たかじんのそこまで言って委員会」を見ていました。こちらはバラエティ番組です。

 出演者は

◇司会   やしきたかじん
      辛坊治郎 (読売テレビ解説委員)
◇パネラー 三宅久之、田嶋陽子、鈴木邦男、田母神俊雄 桂 ざこば、
         勝谷誠彦、宮崎哲弥、山口もえ
◇ゲスト  池田眞規(日本反核法律家協会会長)

  今週のテーマは「核廃絶は可能ですか?」というテーマ。

 だいたいこの出演メンバー{立場が大きく異なりますし)で議論がまとまるはずもないし、生産的な結論に議論が収斂するはずもありません。

 番組での議論は相手の主張を途中でさえぎり、大声を張り合うだけ。途中でCMも入るし民放バラエティ番組ですのでいたしかたはない。限界でした。

 番組出演者の田嶋陽子氏が1つだけ良いことを言っていました。

この種の議論はあまりにお互いの知識の共有化が出来ていない。もっと情報を出していただいて、議論を深める必要がある。」

 各自が持論をわめきあうだけでは、バラエティ番組として見ている分は面白いが「それだけ」で終われば忘れてしまいますね。議論の核心がボケてしましましたし。

 結局かみあわないまま、番組は終了してしまいました。

 NHKの「日本のこれから 核廃絶は可能か?」の3時間番組も、残念ながら「やしきたかじん」の民放のバラエティ番組を「超える」内容では残念ながらありませんでした。

 わたしはその原因をわたしなりに考えてみました。

1)議論や取材に外務省が関与していない。外務省の幹部やOBも含め出演していただくべきではなかったのでしょうか。北朝鮮の核問題、拉致問題にしても、非核3原則にしてもすべて外交問題です。その観点が弱い


2)外交の延長{失敗)が戦争ではないでしょうか。孫子の{戦わずして勝つ」という意味の検証を「核問題」で冷静にすべきではなかっただろうか。


3)北朝鮮は乏しい国力の至資源の大変を費やしてなぜ核開発とミサイル開発をするのか?それは外交交渉に有益だったからでしょう。でもそれは本当に北朝鮮に利益を生んだのか?検証が必要でした。

 北朝鮮同様の一党独裁国家体制である、キューバやベトナムの国づくり、国家運営はどうなのか?キューバやベトナムは自国で核を持たずに独自の国家建設をしていますし。特に「キューバ危機」{ソ連製の弾道ミサイル持込問題)があり、その後のキューバの政治姿勢についてのレポートが必要ではなかったかと思う。

 また核開発を放棄したリビアはどうなのか?リビアの独裁者ガダフィ氏は「北朝鮮が核開発をやめるように説得しても良い」とか言っているように聞きました。本当の話しなのか。番組で検証していただきたかったです。現地取材も含めて。

4)日本が核武装すると言う人もいますが、アメリカがそれを容認するでしょうか?絶対にありえないと思います。 
 日米同盟といいますが、アメリカが1番恐れているのは日本の軍事大国化です。日本が独自に核武装すればアメリカが1番の脅威となります。許すはずはないと思います。

 在日アメリカ軍基地は日本の防衛のために米軍がいるのではなく、日本を軍事占領するためにいるのです。アメリカは日本を本音では信用していません。ですのでアメリカが日本の独自の核武装を容認するはずはありません。

5)時代は地球環境保全へ向かっています。多資源消費型で、廃棄物の処理が難しい各施設のあり方{原子力発電所も含めて)議論すべきえした。果たして核の平和利用はありえるのか?危険ではないのか?その議論はありませんでした。


6)欧州ではドイツが宿敵フランスと信頼関係を構築し、二度と戦争を起こさないという観点でEUで経済統合、政治統合を目指しています。東西冷戦後の欧州では大きな流れになりました。

 アジアでも日本・韓国・中国がお互いを信頼し、経済統合を目指せば、安全保障のありかたも大きく変化します。でもそれを阻止しているのはアメリカのように思われます。日本・韓国・中国が相互対立することでアメリカは利益を得ているからです。


7)番組でも被爆者の人が言われました。「ノーモア・広島・長崎」であると。核兵器の恐ろしさ、おぞましさを本気で世界中に今以上にあらゆるメディアや情報伝達手段を通じて流布することが核兵器を廃棄する道になると思います。

 映画「ヒロシマ.ナガサキ」はドキュメンタリー映画の秀作でした。漫画「はだしのゲン」も優れた作品です。

 日本国をあげて被爆の悲惨さ、おぞましさを世界に広報すべきです。そして広島。長崎の平和式典にオバマ大統領を招待することです。

 サミット会場も広島市や長崎市で開催すべきです。可能な外交力を活用すべきです。できることはいくらでもあると思います。

 アメリカに原爆投下の誤りを認めさせることです。スミソニアン航空博物館で原爆展示を開催すべく外交努力をすべきです。すべてはそれからです。
Hirosimanagasaki
 ドキュメンタリー映画「ヒロシマ・ナガサキ」。映画に出演された被爆者の人たちの冷静な語り口には感動しました。この映画を「切り口」にした冷静な議論が、今回の番組では必要ではなかったかと思いました。

|

« ゴルフと7人ラグビーが五輪種目 | トップページ | 格差社会を是正しよう! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: NHK番組「核廃絶は可能か?」を見て:

« ゴルフと7人ラグビーが五輪種目 | トップページ | 格差社会を是正しよう! »