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2009.09.29

野田正彰氏講演会を見学

 28日は高知市共済会館で開催された「野田正彰講演会「土佐を生きる」」主催(県保育士会)に参加していました。知人の紹介がありましたので、部外者ながら参加しました。

 そしたら保育士会の幹部の女性に「久しぶりね」と受付で声をかけられました。しばらく記憶が戻りませんでしたが、わたしとは別の高校で活動していた活発な人でした。36年ぶりに会いました。
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(保育士会主催ということで、おっさんはわたしをふくめ数名でした。)

 野田氏の講演は重たい話から入りました。

「子供がなんか問題を引き起こすと後発性発達障害ではないかと言われ出しました。全体の6%はいるそうです。まるでそうした疾病があるようで、マスコミや教育委員会なども刷り込まれていましますね。」

「40人のクラスでは2人程度、先生が手を焼く生徒はいます。それは昔もいました。最近はそれをなんか病名をつけよってたかってなんとかしようとする。ひじょうに抑圧的な傾向があります。」

「2004年6月に長崎県佐世保で小学6年の女子生徒が同級生の女子生徒に殺害される事件がありました。加害者の女子生徒の精神鑑定が行われ、その少女の性格や精神状況が克明に説明されたことがありました。

 その後長崎県は県を上げて命の大切さを教える教育を行いました。子供を理解するために点数シートを教員にももたせ、子供全員を査定することまでしました。

 そしてその結果のまとめが出されていました。

1)学校が楽しくなくても心の危機に陥るのを克服する子供が増える。

2)観察シート導入に伴う負担が重いと感じる教員が続出しました。

 結果長崎県では子供の中高生での自殺者は導入後増加しました。これなど誤った決めつけが被害を拡大してきた事例です。」

「対照的な実例ではイギリスの二ールという学校があります。この学校は学校に規制がなく子供の自立性を育てる教育が行われています。
 1人1人の子供がしっかりし、子供の内発的な衝動をまわりが受け止めるしくみがあります。日本でも堀真一郎氏がきの国子供学園を和歌山県の廃校を買い取って開校し、成果を上げています。」

「堀さんは入学してきた子供に薬の服薬をやめさせ、特別扱いをしない。それで3ヶ月位すると子供は落ち着くそうです。問題児として扱われた子供達がきちんとした対応で子供が変化する実例をこしらえてこられました。」
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 「深刻な数字があります。ある調査で「将来に希望を持てるか?」との設問に、もてると答えたのは日本は34%、フランス64%、韓国71%、アメリカ86%でした。社会に対して満足か?には、日本は9%。フランス54%、韓国19%、あめりか72%でした。
 日本の子供達は世界でも突出して楽しくない。学年が上がるにつれて楽しくなくなる傾向にあります。おかしいことはおかしいと言わなければならない。」

「日本は欧州を左軸に、北朝鮮を右軸にした座標の中では中間にいます。
 マスコミの報道にも問題があります。1面に大事な政治の記事と同様にスポーツや芸能の記事が並列して掲載されています。物事を考えない「装置」として日本のジャーナリズムはあります。」

「お母さん方は子供に対してなにを要求するかといえば、他の子供達と仲良くするの。と言います。それは集団主義への適応が文化だからです。
 教育現場でも教科書以外のことは教えないし、興味を持ってはいけない。人々の関心をそぎ落とす教育をしてきました。

 この範囲のなかでしか興味を持ってはいけない。そのなかで要領よくスピードよく覚えて成績の言い人が上級学校へ行き、大企業や官庁にはいります。自分の受けてきた教育への疑いがない人たちですね。」

「わたしは大学へ行き、外国の大学へ行って、いかに自分が受けた日本の教育が酷いものであると自覚しました。」

 話しは後半、ナチとドイツ国民との関係性とか、ドイツ国民がいかに戦後戦争犯罪と向き合ってきたかの話がありました。最後に野田正彰氏は高知の問題について衝撃的な発言をしました。

「来年龍馬伝であるとか、高知は自由民権運動の里であるとか一部に言っている人がいます。とんでもない話です。120年ぐらい前は1部そういう傾向もあったでしょうが、その動きをすべてつぶし、日本有数の軍国県であったのが高知県です。

 山内家が海南中学をつくり、そこから輩出した陸海軍関係者は人口比で言うととんでもなく多かったのです。事実昭和の初めに高知で植木枝盛の本を出版しようとしてていた青年は妨害され出すことが出来ませんでした。それが「自由な土佐」ですか?

 100数十年前のいいとこどりと、途中の軍国高知を飛ばして今にひっつけた観光振興はおかしいと思いませんか。」

「過去を見て現在を見直す。それこそ教育ではありませんか。日本は全体主義国家です。子供を抑圧しすぎです。
 世の中の動きを疑う力、逞しさを皆さん持ってください。」とのことでした。

 専門分野の精神医学の話から入り重たい内容でした。後半の「日本はまぎれもない全体主義国」というのはそのとうりです。

 表題の後半の話を主体に話されたほうが、わかりやすかったかもしれません。

 「軍国高知」の軍人リストは講演会場で野田正彰氏にいただきました。(クリックすると多少拡大します。)
高知出身の軍属が多いのには驚きます。

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