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2009.09.26

充実した蓮池透氏講演会

 午後2時からは高知市人権啓発センターで、「蓮池透氏講演会」(サロン金曜日主催)へ行きました。会場はこの問題の関心の高さもあり300人を超える参加者で会場は埋まっていました。
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(この種の市民集会には珍しくマスコミ記者も来ていました。)
 まず松尾美絵さん(サロン金曜日代表)が主催者を代表して挨拶されました。
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「拉致問題が明らかになりまして7年間が過ぎました。
 わたしは拉致問題と過去の日本の植民地支配の問題は無縁ではなく、からんでいるのではないでしょうか。制裁1本やりでは解決のすべはなく、将来の国交正常化も含めた中での拉致問題の解決を探るべきではないかと思います。
 
 蓮池透さんの話を今日はじっくり聞いてみたいと思います。」

 蓮池透さんが話をされました。
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「9月17日(北朝鮮が拉致を認めてた日)で拉致が明らかになって7年が経過しました。今年はその日は総選挙があり空白の期間でした。17日のマスコミの話題は鳩山さんとのりピーばかりです。
 もう8年目になります。マスコミはなぜ動かないか検証しませんね。

 このままでは北方領土のような存在になります。北方領土は形はいつまでも残りますが、拉致被害者も家族も命には限りがあります。」

 「自民党政権のなかには、北朝鮮の政権を打倒するといきまいていた人もいました。でも倒れたのは自民党政権でしたし。

 お前の家は拉致は解決している。余計なことを言うな。戻っている5人の家族も7年経過してものびのびとした生活なんてできません。」

 「国から毎月支援金として30万円支給されています。旅行などしようものなら無駄遣いするなと言われますし。でも5年間の期間限定の支給。来年からはなくなりますし。弟はそんなものいらないと言っています。

 本来は拉致されて20年間もいたのですから、日本国政府は支給金を5年間だけするというのではなく、拉致被害者の生活は一生国が面倒をみるくるいのことはしていただきたいと思います。」

「また北朝鮮は悪い国だから強硬なことは言わなければだめだという風潮にも疑問を持っています。はたして制裁だけで問題は解決するのだろうかと思いました。
 クリントン元大統領の電撃訪朝もありました。あれは米国が北朝鮮に謝罪し、罪を認め恩赦という形で拘束されていた米国人記者を取り戻しました。
 韓国も現代グループの会長が訪朝し、拘束されていた社員を連れて戻りました。
 日本だけが手をこまねいています。」

「あくまで拉致被害者が戻ってくる方法の1つが経済制裁であったわけです。対話と圧力と言われましたが今は圧力ばかり。
 北朝鮮の核とミサイル問題は世界の脅威です。拉致問題は日朝間の問題です。それを「包括的問題」にすると解決がより難しくなるでしょう。」

「平壌宣言と言うのは、拉致を金主席が認め謝罪し、5人生存8人死亡を日本政府が認めたことです。それで日朝国交正常化がなると思いきやそうはなりませんでした。
 
 小泉総理の2度目の訪朝のときに家族会も支援する会も制裁強化に傾き、訪朝に反対しました。そのことで小泉首相はやる気がそがれたと思います。国のリーダーには問題を解決するには何度も訪朝していただきたかったと思います。当時の私達にも至らないところがありました。」とも言われました。

 蓮池さんでなければ知りえない情報も言われました。戻ってきた拉致被害者の家族も、戻らない家族も双方が心が安らかではない。ずっと監視されているような日常。強硬な意見を言わざるをえないよう風潮に蓮池透さんはおかしいと言われます。

 参加者との質疑応答も淡々と回答されていました。
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 また「拉致 左右の垣根を超えた闘いへ」(蓮池透・著・かもがわ出版)を会場で購入しました。その著作の中で「救う会」の人たちのなかには「北朝鮮打倒」のイデオロギー一辺倒のひとがいて、異論を認めない雰囲気がある。家族会へも影響がでているし。

 蓮池透さんは現在家族会とは一線をひいた活動をされています。講演を聞きまして、その姿勢は弱腰でもなんでもなく、きちんとした戦略をもう一度政府も含め再考すべきだろうとの主張はうなづけました。
 歴代の自民党政権では解決できなかった「拉致問題」。民主党鳩山政権は「友愛外交」で解決できるのでしょうか?これからが仕切り直しではないでしょうか。

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