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2009.10.16

「人間の運命」を読んで

Itukiunmeihon
読書の秋なので近くの図書館で10冊本を借りました。「」そのうちの1冊が「人間の運命」(五木寛之・著・東京書籍)でした。
 2009年9月発刊のエッセイ集なので、現代の話題も取り上げています。

 そのなかに「月を歩く人」の夢と死という文章がありました。今年の6月に急逝されたマイケル・ジャクソンさんについてのコメントです。
「ああやっぱり、というのがその死を知ったときの正直な感想だった。こんなことを書くと、熱烈なマイケルのファンたちは腹をたてるかもしれない。
 しかし、こんどのさまざまなゴシップめいたメディアの報道ぶりとは別に、彼の負った宿命というか、なにかそんな大きなものの影を一瞬、感じないではいられなかっちゃのだ」(P79)

「兄たち4人と「ジャクソン.ファイブ」として歌って踊っていたころの彼のハイトーンは、40年あまりたったいまもなぜかよく覚えている。
 ひとつの時代をせおった人間は、そういうものだろう。同時代を生きたものは、いやおうなしに、その刻印を押されることになる。」(P80)

「特別なファンでなかった私にしても、あらためてステージの記録映像を見て、大きな感慨をおぼえずにはいられなかった。
 街頭での少年たちのダンスからヒントをえたといわれる「ムーンウォーク」の幻想的な動きにあらためて驚嘆する。歩くという人間古来の殻の動作に、まったく予想もつかなかった異様なイメージを創り出したということは、とんでもない革命のひとつだったかもしれない。」(P81)

 さすがに作家は的確に表現されますね。わたしもにわかにマイケル・ジャクソンの動画を集中的にこのところ見ていましたが、「そのとうりだ。」と五木氏の感想には同意しますね。

 全体の本は「運命」について五木氏独自の人生観の吐露です。敗戦で北朝鮮から命からがら日本へ逃れてきて、貧しい中山間で暮らしてきた。大学も東京へ行くもホームレス大学生になる始末。

 「さらばモスクワ愚連隊」という小説が世に出るきっかけですが、それもいくつかの幸運のたまものという。生きていることは、誰かを犠牲にしているになるし。

 人間が生きていることも他の生き物を犠牲にして生きているし。運がいいとか悪いとかは自分ではある意味どうしようもない。

 私個人でも今回の台風18号により東京へいけないのはとても悔しい。8月のチャンスも逃したし。そういえば父も7年ほど前にうちの子供に頼んで韓国へ行く予定(若いころに韓国で勤務していたので)高知からのチャーター便を予約していました。その日に限って台風が来てツアーが中止になりましたし。

 なんかついてないこともありますね。悩んでもしかたがないことでもあります。年なのか運命を受け入れることにしています。そのなかで最善を尽くすようにしています。

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