映画あかね雲を鑑賞
10月12日に「戦争を知らない子供たちに送る映画会」(田辺浩三氏主催)の10月映画会は、「あかね雲」(岩下志麻主演・篠田正浩監督・1967年製作)を高知市龍馬の生まれたまち記念館で見ました。
往年の白黒映画を16ミリの映写機で見る。イオンなどのシネコンでは絶対に見ることのできない映画ですね。「特にこの映画は、高知ではうちでしか見れないと思う」(田辺浩三氏・談)。
前日の地元新聞で大きく取り上げられた効果もあってか、今回はなかなかの盛況。あるいは大女優岩下志麻さん効果なのか。客層は年配層が多く、私の家内が「若者」に思われるぐらいだ。観客はなかなかの盛況。大忙しだ。良かったです。
ストーリーは父親が病気で輪島の旅館で女中として働くお松(岩下志麻)。あるとき親切にしてくれた缶詰販売会社の外交員小杉(山崎努)。身の上を聞いた小杉は、もっと収入が多い可能性がある山代温泉の仲居に口利きをする。
あるときお松は父親の入院費用が工面できないかとおかみに借金を申し込むがすげなく断られる。小杉に相談すると、もしかまわなければある男(経営者のおっさんと一夜のとぎをしてくれたら大金は支払うとのこと。
お松は小杉を信じ、一夜を共にする。翌日真相を知った、先輩格の芸者(小川真由美)に叱責される。でもお松の境遇があまりに哀れなので2人して泣き崩れる。
やがて小杉は脱走兵ということが判明。憲兵隊長(佐藤慶)に追い詰められ、お松は小杉に漁村宿に会いに行くが当局に尾行されあえなく小杉は逮捕される。悲恋物語。
あまりに厳しい昭和12年当時の日本社会。温泉宿は木造3階建てか。1967年当時の映画ですがよく日本の旅情が出ていました。
後に大女優になる岩下志麻さんがけなげな娘役でがんばる姿。先輩役で芸達者な小川真由美さん。これは若いころから貫禄。相手役の山崎努は今や大御所の男優。おくりびとでもベテラン納棺師でしたし。たまにビールかなんかの宣伝で良いおじいさん役をしていましたし。
「脱走兵」がテーマですが、戦争に向かう日本社会が背景で描かれていました。
さて次回の「戦争を知らない子供たちへ送る映画会」は、「山河あり」(1962年)です。テーマは「ハワイ日系2世の米兵」です。
(日時) 11月23日(月曜・祝日)勤労感謝の日
(場所) 高知市龍馬の生まれたまち記念館
(上映時間) 午前10時・午後12時20分・午後2時40分・午後6時
(講演) 午後5時~ 梅原孝司氏(元中学教頭)元社会教員の立場で日本の歴史教育をお話いただきます。
*それから余談ですが、田辺浩三さんより、「田母神俊雄講演会」のチラシをいただきました。ご出身の窪川で「軍国日本」を賛美する田母神氏の講演会(しかも無料で)というのはけしからんと怒っておられました。
スポンサーの南国製菓といえば、芋菓子を全国展開しているお菓子屋さんですが、極端な考えのかたの講演会を開催するのはいかがなものかと思いますね。疑問を感じました。
それから知人がかかわっている25日の「岡林信康コンサート」のチケットは完売したそうです。良かったと思います。
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