朴保(パク・ポー)さんのCDを聴きました。
ブログで交流しています埼玉県川越市のケイスケさんより、朴保(パク・ポー)さんのCDを贈呈いただきました。ありがとうございます。年末の業務がまだ終わらないので、仕事をしながらパソコンで聴きました。
朴保(パク・ポー)さんと言えば、かつて室戸市にてコンサートをされると言うことで、実際にライブを聴きました。朴保さんご本人ともお会いし、話しもしました。
2007年7月13日のことでした。
ブログ記事「朴保(パクポー)さんトーク&ライブin室戸」
見かけのラフな姿とは異なり、歌声は澄んだ声で、声が驚くほど伸びます。独特の世界を構成されておられます。韓国の打楽器も入っていて、Jポップの音楽構成とは全然異なる世界。
アルバムのなかには、「イムジン河」もあります。朴さんが歌うと物悲しくも力強い望郷の歌になります。フォークルとは全然違いますね。
「希望が丘」という沖縄をテーマにした歌も印象深い。「希望が丘公園」は、家内の実家に隣接してあります。
戦中いくさのカジュマルは
じっとだまって生き抜いた
オジイ オバアの深いしわ
溶けて流れて雨になる
溶けて流れて風になる
エーヘイヨーという掛け声もはいりますし。沖縄のエイサーを思い出しました。
沖縄の憂いも朴さんは深く理解されています。
また「BoB Marley Calling 聖霊に捧げる唄」という曲も独特です。
富士山から生まれた
僕は毎日窓から富士山を見ていた
そして 魔の国道1号線を毎日学校へ通った
横断歩道 信号機もない
あるのは 交通事故 交通戦争 経済戦争
Chemical War richi mens War
朴さんは静岡県の国道1号線沿いの解体屋の子供として生まれ、育ちました。経済成長優先で、家の前の国道1号線には横断歩道も信号もなかったようでした。そして毎年何人かが車にはねられ、亡くなっても、一向に横断歩道が出きなかったようでした。
そして歌詞はこう続きます。
そして立ち並ぶ製紙工場
ゴジラ対へドラ
ヘドロは海に流れ
公害と環境破壊がつづいた
広島 長崎 原爆投下
天皇もあやまれなかった大東亜戦争
いったいこの国に日はのぼるのか
日輪のごとく花は咲ほころびるのか
ぼんやりした「日常」を突き刺す強烈なメッセージです。
最近の日本のアーティストで言葉をきちんと音楽にしている人は少ない。社会の矛盾や差別を歌い込む朴保さん。ケイスケさんありがとうございました。
CDには18曲あります。民族問題、日本と朝鮮の問題。社会問題、経済問題。そして環境問題まで歌いあげます。
「未来へ」
美しいこの星をとりもどせるのなら
さあ 帰ろう 遅すぎると言う前に
産む苦しみ生まれたよろこび
未来とつづくかけ橋さ
朴保さんの歌声は、社会の矛盾や対立に「橋をかける」努力をされているのではないでしょうか。聞いていましてそう感じました。
「架橋~未来へ 朴保デビュー30周年アルバム」
参考記事「<在日社会>在日2世の歌手、朴保・在日の生き様歌い30年」(東洋経済新報)
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