現実主義・相対主義の日本の時代
作家司馬遼太郎氏は様々な歴史小説を執筆されています。自らの戦争体験から導きだされた独特の歴史観があります。
「明治以前までの日本の歴史は虚構をほとんど受け入れることなく進行し、維新後80年間は絶対的天皇制という非日本的な虚構を大がかりにつくりあげたが、ついにキリスト教、インド峡のように身に付かず、第二次世界大戦の敗北によって、もとの現実主義的な日本人に戻った。」(「花神」第4巻 P15)
キリスト教もマルクス主義(共産党一党独裁)も日本社会は受け入れませんでした。絶対天皇制が80年続きましたが、惨めな廃墟しかもたらしませんでした。2度とその世界に戻ることはありえません。
でも世界に原理主義的な宗教や国家が存在し、対立しています。自分を絶対化し、相手を全否定する世界観では平和共存はありえません。アメリカは覇権国家の資格はないし、中国もそうです。
日本は覇権国家にはなりませんが、日本人の精神性がおそらく世界を危機から救うことになるでしょう。
現実主義・相対主義の日本の時代が来たのではないかと思います。
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