書店は圧倒的に「坂の上の雲」
愛媛と香川の大書籍店へ行きますと、目立つ場所にどちらも「坂の上の雲」特設コーナーがどんとあります。物凄いスペースで関連書籍、雑誌が100冊近く並んでいます。かつてない現象。
四国と言えば、徳島を舞台にした連続テレビ小説「ウエルかめ」と。高知を舞台にした来年の大河ドラマ「龍馬伝」もありますが、坂の上の雲関連書籍が50冊に対して1冊と言う程度。書店の意気込みが違います。おそらく全国の書店でもそうなっているのではないでしょうか。
司馬遼太郎さんという歴史小説の大家の作品。原作も5巻あるし、文庫本なら7冊になります。またNHKが3年がかりで製作し、3年がかりで放送。役者も人気俳優を3年間も拘束。
海外ロケも多く、ドラマの製作費用は1本当たり4億円とか。商売上手なNHK関連企業も書籍や雑誌をどんと出しているようです。
写真は司馬遼太郎さんが小説や評論を連載しご縁のあった文芸春秋社のもの。書店でふっと立ち読みしてそのまま購入しました。
最近何度も読み返している「この国のかたち」という評論も、かつて文芸春秋に掲載されていたものでした。とくに日露戦争付近の日本のありかた、その後の軍人の散漫さに司馬氏は怒りをこめて記述している箇所があります。
生前司馬氏が「坂の上の雲」のドラマ化、映画化を断固拒んでいたのも、安直な国家観、安直な歴史観が国を滅ぼした教訓があればこそでしょう。
いずれにしろ日本人が真摯に日本の歴史を振り返ることは悪いことではない。
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