「日本辺境論」を読んで
内田樹・著「日本辺境論」(新潮新書)を読みました。昨日は1日片付けや家の用事をしていました。一段落して、旧バッハ跡の書籍店へ歩いて行きました。そこで購入しました。
著者の言うように「日本人は辺境の民」であったことは事実。常に「他人(当時の世界の覇権国家)の目線や、どう思われているのか」ばかり気にしている。左右の論もすべてそうなっている。自分の頭で思想を考える力がとても弱い。それは日本が「辺境」にあるからだと。
そういえば米軍普天間基地の議論も,頭ごなしに「日米同盟の危機だ」(米軍の抑止力が損なわれる。」「アメリカの関心が薄れるから大変」とかいう、およそ「まとも」とも言えない感情論を声高に言い立てるマスコミ,「識者」(?)が多く観察できます。見ていて実に滑稽ではありますね。筆者の言うように「辺境」ゆえの「アメリカ顔入り伺い」議論そのものです。
「常にどこかに、「世界の中心」を必要とする辺境の民。それが日本人なのだ。と。日露戦争から太平洋戦争までは辺境人が自らの特性を忘れた得意な時期だった。」と言う言葉ですべて説明が足りる著作です。
「一理はあるな」という本でした。司馬遼太郎さんの歴史観に共通するものがあると思いました。
新聞で見ましたが、鳩山首相も最近この本を購入されたとか。読まれて実践しているのかもしれません。米国や中国、ロシアとかいう大国の覇権主義の首脳と対峙ずるには、案外この「辺境の民論」は有効であると思うからです。生真面目に相手の顔色伺いをする(従来の対米従属外交の自民党政府)とは一味違う「宇宙人外交」をすればよいとは思います。
| 固定リンク
コメント