あこがれの老年時代?
読書家の友人に「考える人」という季刊の雑誌(新潮社)を借りてきました。売価も高級で1400円もします。なかなかのもの。
そのなかに「あこがれの老年時代」という記事がありました。
「光陰矢のごとし)と言いますが、私は昨日高校生であったと思っていたのに、いまや「立派な中高年親父」に。次に気がついたら80歳を過ぎた高齢者であることでしょう。
仏教では「生老病死」と言うらしいのですが、人は生まれ、病気もし、老化し、やがて死を迎える。これは皆平等。いくら財産のある人でも死は免れない。生きている間は一瞬で、死後の時間が遥かに長い。
雑誌の中に「人は死を迎えるときに、つながりを確認できたら、安心してあの世に旅立てる。」とのこと。そのような達観したことも書いていました。さすがに高齢者の知恵であります。
写真はその雑誌から。クルーザー・ヨットに乗船しているのは、池田武那氏(建築家・85歳)。母と同年輩。二次大戦中に戦艦大和の護衛駆逐艦が撃沈され救助され、大村湾に上陸。戦後は建築家で世に出たが、縁があり同じ大村湾のハウステンボスの会長に。
セーリングは今でも現役で奥様と2人でされておられるとか。格好良い高齢者の1人ですね。
自転車に乗っている人は、木滑良久氏(マガジンハウス最高顧問・79歳)。ポパイの創刊時にはローラースケートで乗り編集委員を驚かす。平凡パンチの編集長を経て、ポパイ、ブルータス、オリーブ、ハナコを創刊された人です。
「これから本気を出すなんて思っていたら大間違いだ。走り出した時がピークなんだから。」(P36)なんて言う言葉も格好がいい。
医師の大井玄氏(75歳)は、味のあることを言われています。
「一人で生まれても、一人では還れない。」
「われわれは死んで行くときに、つながりの感覚を持ちたいのです。祖先とつながるのでも、子孫とつながるのでもいい。」(P46)
なかなか考えさせられる雑誌でありました。
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